恋愛はみんな興味がある、優秀なコンテンツ
――最近はSNSで自分の恋愛をネタにして漫画やコラムを書く人が増えていますよね。どうしてなんでしょうか?
- 峰
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なんかお焚き上げみたいなものじゃないですか。
――このセックス成仏してほしいみたいな。ネタにしたほうが精神の安定を図れるっていうのもあります?
- 峰
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それもあるし、まあ単純に、純粋に恋愛だけ、セックスだけして常にすごく楽しいってことは意外にあんまりないと思うんですよ。
男の人も、男同士で風俗行ったり、風俗のプレイ本体よりその後の「お前どうだった?」みたいな話を楽しみにしてたりとかするし。セックスそのものよりも感想戦がおもしろい、みたいなところじゃないですかね。
――人間ってつくづく社会的な動物ですね。
- いつま
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飲み会とかで恋愛話を面白おかしくするじゃないですか、SNSに上げるのもそういう感覚なんだと思いますよ。それに恋愛はコンテンツとしてみんな興味あるし、言いやすいし、経験あるし、コンテンツとして優秀なんですよね。だからみんな書くんだと思います。
――自分の恋愛をコンテンツにすることで、お焚き上げ的により楽しみが増えるというのはあると思うんですが、描いて共感されることで実際の恋愛になにかメリットってあるのでしょうか。
- いつま
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より冷静になれたりするんじゃないでしょうか。
- 峰
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自分が同じ失敗をしづらくなるとかはある。不倫は絶対にダメだとか。30代になると周りにちらほら慰謝料払ったみたいな子が出てくるんですよね。
――そういうことに早回しで気付けるってことですかね。私も30代になってやっとわかったことを20代で気付けるような。
- 峰
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そう、私個人のメリットというより読んでくれた子が同じ失敗をしないでもらえると嬉しい。
- いつま
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あとセフレに恋しちゃって、彼はいつか振り向いてくれるはずってそれしか見えなくなってる子が、周りにもこういう人間がたくさんいることを知って、自分は特別じゃないんだって、早めにあきらめることができたりとか。
同時に、この悩みが私だけじゃなかったんだって気付いて楽になってくれたらいいです。
――SNSで恋愛をコンテンツ化するにあたり、気を付けたほうがいいなって思うことはありますか?
- 峰
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顔出しをしない。さっき話しましたけど超やばいヤリチンしか来ないんですよ(笑) 顔出ししないほうが快適にネタ収集できるんじゃないかと思います。
- いつま
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峰さんの場合は、こんなにキレイな方が描いてるってことで『アラサーちゃん』にすごい説得力が生まれてるから、顔出しは絶対正解だったと思います!
私、『アラサーちゃん』では、6巻に出てくるアラサーちゃんのお母さんが大好きなんです。遊び倒してるバツ2の男が最後に選んだあの穏やかな感じ。セフレ沼の渦中にいる、いつか本命になりたい族が一番憧れるのがそこなんですよ。