AMリニューアル記念としてお送りしている、はあちゅうさん×林雄司さんとの対談後編です。
紫原明子さんを聞き手に、インターネットで私たちの恋愛や人生の成功イメージはどう変わっていくのか、どう向き合っていくことができるかを伺いました。
SNSの他人の飲み会の写真、ありかなしか
- 紫原明子(以下、紫原)
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SNSには毎日、誰かの飲み会の写真がアップされますよね。
- 林雄司(以下、林)
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ぜんぶ非表示にしてます(笑)。人の飲み会の写真って面白くないですよね。
- はあちゅう(以下、はあちゅう)
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私、面白いと思って見てます!あーこの人とこの人が繋がってるんだ、とか。
- 林
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えっ!すごい。
- 紫原
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そこ! そこの違いって、お二人の思想の違いに直結していると思うんですよ。
はあちゅうさんはやっぱり、ネットワークをよく観察して学ぼう、活かそうという野心を感じるけれど、一方で林さんやデイリーポータルZからは、人は人、自分は自分というように、出世欲のなさそうな“のどかさ”を感じます。
はあちゅうさんの勤勉さやタフネスにも憧れるけれど、林さんの力の抜けた感じもいいなあと思うんですよ。
- 林
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俺はすごく出世したいですよ。編集部のみんなも、集まるたびにもうどうやって金儲けするかって話をしてますよ!
- 紫原
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本当ですか!? ちょっとイメージと違いました(笑)。
- 林
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「太く短い人生」っていう考え方がありますけど、どう考えても太く長いほうがいいじゃないですか。出世はしたいけど、必死で頑張りたくはないってことなんですが。
それに、そもそも成功の形って色々だと思うので、サンフランシスコの道端で太鼓叩いてるおじさんとか、これはこれで成功者だよなって思います。すごい楽しそうにやってるから、やられたなー! みたいな。ファミレスで昼から飲んでるおじいちゃんも、すごい成功者だなあと思います。
- 紫原
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いいですね。女性こそ、そういう成功を目指したい人がいると思うんですよね。
- はあちゅう
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女性の場合、元々出世=成功と考えてないことが多いですよね。
会社一本でバリバリやっている人より、主婦をやりつつ自分の趣味の稼ぎで暮らしている人のほうが人生上がった感があると思う人もいますよね。上がりの形が一つじゃないんです。
- 紫原
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たしかに。色んな成功、上がりのパターンが女性にはありますね。ただ、同時にお互いの上がりの形を認められるかっていうと、そうじゃない面もあるように思います。自分の選んだ道とは違う道を選んだ人を、つい批判しようとしたり。
人の幸せは人の幸せ、と素直に思えないのってどうしてなんでしょうか。
- はあちゅう
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西村ひろゆきさんが最近出された『働き方 完全無双』という本の中に、日本はもともと国土が限られているから、広い土地をたくさん持ってる人=成功者という考えになる、…みたいなことが書かれていました。
もしかしたら、私の中でちょっと、表現変えちゃってるかも知れないですけど……土地を取られると、自分の幸せが取られたという発想になるので、他人の幸せを快く受け入れられなかったり、自分が否定されたような気持ちになってしまう、と。
一方、国土が広大なアメリカとかは「成功してるいるあの人とは別の場所で成功しよう」という発想になるそうです。この説明を読んでとてもしっくりきました。
- 紫原
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日本人は国土の関係でゼロサムゲームの考え方が根付いている、ということですか。面白いですねえ。