男性が「偶然の出会い」に惹かれる理由
ただし、女性が偶然の出会いに感じるときめきと、男性が感じるそれとは、少し趣が異なるので注意が必要です。
男性が思わずときめいてしまった「偶然の出会い」には、例えば以下のようなものがあります。
・合コンで地元が同じ女性と出会い、よくよく話を聞いてみたら幼稚園から小・中学校、高校まで同じだったことが発覚!
青春時代のあるあるトークですっかり打ち解けて、その日のうちにそういう関係になっちゃいました。
一番モテたい時期にモテなかったという思春期の「満たされなかった記憶」を、男性は大人になってもずっと引きずっているもの。
そんな失われた思春期を追体験させてくれる彼女との出会いは、「まさに運命」と思ったことでしょう。
・駅で携帯電話を拾ったので、駅員室に届けようとしたところ、落とし主の女性から着信が……。
近くで待ち合わせて取りに来てもらったら、「お礼に」と食事に誘われ、たびたび会うようになって付き合うことに。
「落し物を拾う」というのは、ささやかだけどヒロイックな、自分に「酔える」行為。
そんなとき、好みのタイプの落とし主が現れて食事に誘われたら、思わず自分の中の「プリンス性」(俺の方が立場的に上、というゲスな優位性とも言えます)が顔を出すのが男というものです。
・出会い系の釣りメールとは明らかに違う、プライベートな内容の間違いメールが届いたので、「お間違いではないですか?」と返信。
本来の宛て先と自分のメールアドレスが一字違いだったことが発覚して「奇遇ですね!」と話が弾み、メル友を経て会うようになりました。
偶然とはいえ他人のプライベートをのぞき見てしまった背徳感が、ある種の興奮を呼んだのでしょう。
秘密を共有することで連帯感や親密感が深まるのは、恋の定石。
「このことを知っているのは俺だけ」というサディスティックな支配感も、少なからず男の「疼き」を増幅させます。
このように、偶然が招いた出会いほど「運命の相手」だと思いがちな女性に比べて、男性は同じ出会いを、ある種の棚ボタ的グッドラックだと感じる傾向があります。
昔から、「据え膳食わぬは男の恥」という言葉があるように、舞い込んできたチャンスはものにするのが冒険野郎のイカしたチョイスである、という発想です。
そして、そういう出会いは得てして「一時の遊び」として終わってしまう危険性があることも、また事実として心に留めておかなければいけないでしょう。
しかし、だからといって「偶然の出会い」をことさら敬遠する必要はありません。
そもそも、この世に偶然じゃない出会いなんてあるのでしょうか?