お互いにたまに相手の100%を
受け止めあいましょう

─親役ができない人と長く続けるのはしんどそうだな、と最近よく思います。

中村:でもこれ、相互性がないとまたダメなんですけどね。
やっぱり一方的に、どっちかがどっちかの親役になると、負担が大きいので、本当にいやになるから(笑)。

それはやっぱり、男の人にも甘える一方じゃなくて「あなたもお母さんにならなきゃダメなのよ」ってことを分かってほしいんだけど、言葉で言っても分からない男は本当に分からないよね。
人によっては「え? なにそれ? 俺、オンナじゃねえし」ってことを本気で言ったりするから! 「いや、メタファーですよ」みたいな(笑)。
まあ賢い男だったら理解できるし、あと頭はよくなくても勘のいい男だったら、言葉で教えなくたって、たぶん体感で自然に体得してくれると思うんだよね。
両方できない男っていうのが一番困るんだけど、結構多い。

─たしかに、女性もやっぱり親役を求めているんですね。

中村:そうですね、どうしても母性という言葉は「女」。
性別的に決まっているから、男に母性なんてなくていいでしょ、みたいに思っているけど、そんなことないです。
女の子だって、お母さんほしいですから。

膝で甘えたい、みたいなね。もう、今日は泣かしてくれ! という日もあるかもしれないしね。

でも、毎日毎日「私を100%を受け止めて」っていうのは図々しいと思うのよ。
だから、「たまに100%受け入れてくれ。その代わり、お前の100%を受け止めてやるから」
みたいな関係がつくれたらいいですよね。

中村うさぎ
1958年生まれ。福岡県出身。同志社大学英文科卒業後、OL、コピーライター、ゲーム誌のライターを経て、1991年にライトノベル作家としてデビュー。『ゴクドーくん漫遊記』がベストセラーになる。
その後、自身の壮絶な買い物依存症を赤裸々に綴ったエッセイシリーズで大ブレイク。
以降も、ホストクラブ通い、美容整形、デリヘル嬢体験を通じた、女の生き方や女の自意識に関する著述で多くの支持を集め続ける。

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