AV監督でありながら、『恋とセックスで幸せになる秘密』、『すべてはモテるためである』などの恋愛書の著作を持つ二村ヒトシさん。女性が積極的なアダルトビデオの先駆者であり、撮影現場で多くの女優の性を見つめてきた氏に今回の特集「セックスセンス」について語っていただきました。
第1回「セックスと恋の呪いにかかった女たち」も合わせてお読みください。 (インタビュアー:大泉りか)
愛はあまり性欲とは結びつかない
大泉:女性のセックスについて、「もっとこうしたら」というアドバイスはありますか?
二村:「女性はもっとオープンになったほうがいい」っていうのはもう、十分に行き渡ったよね(笑)。むしろ、行き渡りすぎている。
大泉:でも、そういった情報が皆に行き渡っているからこそ、オープンになれない女性の悩みはさらに深まると思うんです。
「オープンになったらいいっていうのはわかっているけど、なれないのはどうしたらいいの?」って。
二村:うーむ。実際に、AM編集部宛に、そういう悩みとかって寄せられていますか?
奔放になれないっていう相談や、逆に奔放になったら男が逃げていっちゃったんですけど、どうしたらいいですかっていうクレームとか(笑)。
編集部:「素直に奔放したほうがいいと頭ではわかっているけど、でも、できない」というような「でも」が多いという印象です。臆病な女性が多いなと思うんです。
二村:臆病だっていうのは、自分が恋をしている相手から嫌われたくないからですよね。
でも、嫌われたくない、という気持ちがそもそも自己肯定感のなさ。
そういうことを思わなくて済む相手とヤレばいいって思うんだけど。
でも、そういうことを思わなくてすむ相手というのは、愛の関係にあるわけで。
そうすると、性欲が沸かなくなってきて、それでセックスレスになっていくんですよね(笑)。
セックスレスって相手が嫌になってセックスをしなくなることもあるんですけど、男にとっては、〝恋”が〝愛”になってしまって、もう今更セックスはしなくていいよっていうことも多いんです。 つまり、愛はあまり性欲とは結びつかない。
大泉:家族とはセックスをしない、と。
二村:でも、女の人は、一緒に長く暮らしていてもスキンシップは求める。
旦那に今更ときめきたいっていうのとはまた違った話で、「触っていてもらいたい」とか「抱きしめていてもらいたい」とかあるじゃないですか。だから、セックスレスの問題は避けられないと思うんだけど、でも、AMの読者は独身の女性が多いと思うので、また違うよね。
自分が恋をして、ドキドキしている相手と楽しくセックスがしたい、というのが望みなのかな。