モテる男の“心の穴”に振り回される“恋する”女たち
大泉:ところで、こうした恋とセックスについて悩む女性たちに向けて著書を上梓されたわけですが、反響とかってどうでした?
二村:めちゃくちゃありますね。ツイッター上とか、エゴサーチをしていると、いろいろ有益な情報が入ってきます(笑)。ただ、そんなに即効性のある本ではないので、「なるほど!」といってくれる人はいますが、その後、幸せになった、という話は聞きませんね。どうしたら幸せになれるんだろうなぁ。
大泉:恋をしている時点で、「あの人を好きになっても幸せになれない」って思っても止められないですよね。止められたら、それは恋じゃない。
二村:そうなんですよね。
大泉:だからって、「彼のことを思っているだけで幸せ、見返りなんて求めないの」っていって耐え忍ぶのも、それはそれで無理があるじゃないですか。ストレスが溜まっていくっていうか。
二村:そう、溜まっていく。だから、うっかり男の側から「最近の女には愛が足りないよ」なんて言うと、女は怒り始めます。
大泉:「こんなに与えてるのに!」って?
二村:いや、「大きなお世話よ!」って。
そもそも、そういうことを言う男側にも、女に対する憎しみがある。実はモテている男ほど女を恨んでいたりもするじゃないですか。
で、「メンヘルはこうだよ」とか「恋に悩んでいる女はこうだよ」とか男がいうと、その男に恋している女はそれでしょげてしまうし、それ以外の女は怒りますよね。こうして、意見が深まるのではなく喧嘩になってしまう。
大泉:負のスパイラルですね。なんとかならないんでしょうか。
二村:解決方法は、ひとりひとりが目の前の人を愛すること、それ以外はない。
【次回に続く】
次回は「愛と性欲」について、お送りいたします。
Text/大泉りか
二村ヒトシ
アダルトビデオ監督。1964年六本木生まれ。慶應義塾幼稚舎卒で慶應大学文学部中退。Dogmaからリリースした『美しい痴女の接吻とセックス』『ふたなり』『妹に犯されたい』『集団痴女』『すべての女性があなたより背が高い世界』『マ○コがマ○コに恋をする理由(わけ)』各シリーズで、画期的なエロ演出を数多く創案。現在は、MotheRs(痴女専門)・美少年出版社(女装っ子専門)・LADY×LADY(レズビアン専門)・欲望解放(本人のセックス専門)の4つのAVレーベルを主宰・経営するほか、ベイビー・エンターテイメント、ソフト・オン・デマンド、エスワン、ムーディーズ等からも監督作品を発売。また今年よりソフト・オン・デマンド制作部門であるSODクリエイト社の顧問(若手監督への「エロとは何か」指導を担当)にも就任。
著書に『恋とセックスで幸せになる秘密』(イースト・プレス)『すべてはモテるためである』(イースト・プレス/文庫ぎんが堂)等。
公式サイト:nimurahitoshi.net
twitter:@nimurahitoshi/@love_sex_bot