最後までヤるのが人間としての誠意だ!フィリピンでの妙なセックス/中川淳一郎

僕も色々なセックスをしてきたが、今までで一番ヘンテコリンなセックスについて書いてみる。場所はフィリピンのとある島で当時僕は23歳だった。スキューバダイビングなどを昼は楽しみ、夜はビーチ沿いのバーで酒を飲む。

一軒目を出て次はどこへ行くかな、とビーチを歩いていたら、カフェの呼び込みの女性がいた。これは2001年のことなのだが、当時の日本人は世界で「金持ち」と扱われていた。だから、フィリピンの客引きからは人気だったのである。彼女は僕を見てこう言った。

「エスプレッソ、カプチーノ、シャクハチ!」

なかなかの美人だったので、店に入った。「シャクハチ」というのは要するにフェラチオのことなのだが、当時、日本人は上客だったのだろう。だからこうした客引きが成立したのだ。多分、今こんな客引きはしていないと思う。中国語になっているだろう。この店は、バーでありつつもコーヒーも出すような店だった。

カプチーノを作るバリスタ的な人はいるのだが、客引きの彼女は私の席の横についてきた。おい、ここ、キャバクラじゃなくてカフェだろうよ? と思うものの、別に彼女は僕に「ドリンクちょーだい」とか言うわけでもなく、ただ隣にいて会話(英語)をするだけだ。

こちらは元々の店のウリであるエスプレッソを飲んだのだが、エスプレッソを飲み終わる直前に彼女がこう言ってきた。

「ねぇねぇ、ニノミヤさん、ウチに来ない?」

なんという素晴らしいオファーだろうか! こんな美人がいきなり僕にこんなありがたいオファーをくれたのだ! フィリピン人の彼女は本当に美人だった。会計をし、彼女の家に行った。