彼女の家に行くと…

アパートの2階に着くと、すぐにエロを開始した。お互い全裸になったのだが、不思議なことに彼女は一切、性器を触らせてくれない。触ろうとするとバシーンと手を叩いて拒否するのである。

そのまま前戯を続けて「いざ挿入!」といった事態になった。僕の怒張したアソコを彼女は入れて、腰を動かし始めた。実にイイ!!! これは気持ちいい! サイコーのセックスだ!

そう思った瞬間、突然彼女は巨大なチンコを出してきた

フィリピン人の彼女は実はニューハーフだったのだ。僕はこれにはビビったものの、これまでのセックスは非常に楽しかったのでここで方向性を変えることは失礼だと思った。実は僕がチンコを入れていたのは彼女の肛門だったのである。

女性の膣に挿入していると思っていたのだが、実際は男性の肛門に入れていた。そこを彼女(男)は「あぁーん! いい!」とやってくれていたということである。ただ、僕自身、ここに至るまで快楽を得ようと動いていただけに「おい、お前、男だったのか!」と言う気にはなれなかった。

結局最後までやるしかない、という状況になったのである。彼女が男だったことが明らかになっても「ここまで濃厚接触をしたのだから最後までやるのが人間としての誠意だよな」という気持ちになった。そして、彼女は途中から大興奮し、チンコをしごき始め、ドバドバと精液を僕の腹の上に出してきた。もう何が何やらわからなかった。

さて、この判断、いかがなものか? 様々な「ジェンダー問題」はあるかと思うが、私としては、「よう分からんが、ヤることになった」というヘンテコリンな体験である。

フィリピンの彼については、その数年後、同じ島に行ったときに見かけた。明らかに女性ホルモンを打つ機会が失われ、髭が生えていた。その可能性に我々は「残酷やねぇ……」と言ったのである。

Text/中川淳一郎