「セックスで気持ちがよくなるのはいいこと」という本質

「尻専で、ござんす!」
言うなり忠夫は麻里子の尻をグイと持ち上げた。抱えた膝が麻里子の顔の辺りまで、降ってくる。
「いやーあ! 絶対ダメ!」
 アナルはまだしたことがない。ココは純平に捧げるつもりなのだ。
純平に巡り合った時、さすがに前の穴は、とっくに開いていた。だからせめてアナルバージンを捧げたかった。
だから、興味はいっぱいあったのに、ココだけは誰にも弄らせずにきたっていうのに……。
 それを、いまこんな大きな巨棒に、こじあけられてしまうだなんて。麻里子は戦慄した。尻たぼがブルブルと震えた。(中略)
 なんてことだ! こんな今日出逢ったばかりの男にアナルを奪われるだなんて。
こんなに膣を差し出しても、こっちの穴だけは、大切な人のために守り続けてきたというのに……大江さん。これはあんまりだ。
「うわんうわん」
 抵抗もむなしく抽送されたドドンと、最奥まで押し込まれた肉棹が、今度はズリズリと引き上げられていく。奇妙な排泄感。
(あれ? いい! とってもいい!)
 麻里子は、押されるよりも、抜かれる瞬間に、恍惚感を覚えた。
(『お嬢様は淫乱でございます』P250L5-P252L13)

 はい。あっさりと快楽に負けてしまいました。
なるほど、さすがは淫乱でございます。

 さて、ではこのヒロイン麻里子から、わたしたちはいったい何を学ぶのか。
それは、無邪気であることの大切さなのはないでしょうか。
もしもセックスに罪悪感を持っているのならば、それは社会が貴女に討ちこんだ呪縛です。

 身体が気持ちがいいからセックスをして、セックスをしたら身体は気持ちよくなる。
セックスは気持ちのいいこと、セックスで気持ちがよくなるのはいいこと……という極々シンプルな本質を、このヒロインは教えてくれているのかもしれません。

Text/大泉りか

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