「倍以上男子」に再び脚光

「暴言男子」ではなく「暴言オジサマ」と記したことには、れっきとした理由がございます。トランプ氏は、1946年生まれの70歳! オジサマどころか、「おじいちゃま」と呼ばれるべき年代でらっしゃいます。にも関わらず、あのパワフルなパフォーマンス力!

 何年か前に、「倍以上男子」という造語が流行ったことを覚えてらっしゃいますか? 20代前半のお嬢さん方の間で、「同年代の頼りないオトコ共よりも、自分と倍以上も年の離れたオジサマのほうが素敵!」という考え方がブームになった現象です。20歳のお嬢さんにとっての倍以上男子は40歳、22歳のお嬢さんにとっての倍以上男子は44歳という計算になります。

 あのブームの年、多くのアラサー女子たちからは、「30歳の私にとって、倍以上男子は60歳って計算になっちゃうんですけどッ!」という悲痛な叫びが寄せられました。当時は、「そうねぇ、倍以上男子ブームは、アラハタ(Around20)だけに該当するブームかもね」と、慰めるしかなかったのですが、ドナルド氏のような70歳なら許容範囲……むしろウェルカムですよね。というわけで、数年ぶりに倍以上男子ブームの復活も起きるでしょう。

 オフィシャルでパワフルな男性って、「セックスでは、実はドM」ってケースがけっこう多いです。SMバーやフェティッシュバーへ飲みに行くと、大会社の社長さんや、霞ヶ関にお勤めしているようなかたから、「実はM」というカミングアウトを聞くことがちょくちょくあります。それはそれでアリだと思うんですけどね。トランプ氏の場合は、「セックスでもドSなんだろうなぁ」ってイメージ。

 セックスって、ギャップに萌えるケースもあれば、イメージ通りであることに「そう、これを期待していたの!」って意味で、満たされるケースもあります。今後は、見た目通りのパワフルな暴言オジサマとの、言葉責めセックスに溺れる婦女子が激増するんだろうなぁと、選挙結果を見ながら、ぼんやりと思ったのでした。

Text/菊池美佳子