「えっ、ゲイじゃないんですか?!」と驚かれる人生
アル: キミを見ていると、草食を通り越して植物のようだと感じる。
二酸化炭素を取り入れて酸素を放出しているのかな?って。
K:あまりにも異性にガツガツしないから、10人中9人にゲイだと思われる。
仕事関係の人に「えっ、ゲイじゃないんですか?!」と驚かれたりとか。
アル: 同性にもガツガツしないのよね。
K:うん、同性にも恋愛感情は一切ない。
大学時代、男友達に誘われて二丁目のゲイバーによく行っていたけど、「やっぱゲイじゃないな」と思った。
ただ、男にゲイバーの話をすると「絶対行きたくない!」と拒否反応を示す奴が多くて。僕はそういう抵抗感は全くなかった。
アル: ホモフォビアのある男は多いからね。
K: 同性愛に対する恐怖心や嫌悪感?
アル: そう。その場にゲイがいるだけで「狙われるんじゃないか?」とビビるとか。相手にも選ぶ権利はあるのに。
多くの男には「性的主体ではなく性的客体になる」つまり、「入れる側ではなく入れられる側になること」への恐怖があるらしい。
あと男同士の連帯を強めるために、ホモを差別して排除する感情もあるそうよ。
K: 僕はその感覚は全くわからない。ゲイバーでも普通に楽しく飲んでいたから。
アル: 私も一時期よくビアンバーに通っていたよ。女だけの空間にいるとくつろげたから。
あとバーで男に口説かれるとイラッとするけど、女は平気なんだよね。やっぱ仲間意識があるのだな。
K: 僕もゲイバーで口説かれたりしたけど、そんなにはモテなかった。
本物のゲイにモテるのは、アルの旦那さんみたいな男らしいマッチョだよ。
アル:本物のゲイは、“男らしい男・ノンケっぽい男”が好きなのよね。
K: うん、だからみんな体を鍛えてヒゲを生やしてタンクトップを着ている。
僕みたいな“ゲイっぽい男”は素人のイメージであって、本物のゲイから見るとゲイっぽくない。
アル: 旦那はバイトの後輩に「チンポを舐めさせてください!」と懇願されて、丁重にお断りしたらしいよ。
彼は私の趣味に口出ししたことないけど、BLのCDを大音量で聞いていた時は「イヤフォンをしてくれませんか?」とお願いされた(笑)。
同性愛に偏見とか一切ないけど、男の喘ぎ声は聞きたくないらしい。
K: それは僕も聞きたくないけど(笑)。