自分でできる! 乳がんのセルフチェック
日本人女性の乳がんは30代後半くらいから増加し、ピークは40代後半~60代前半にかけて。
ただ、20代~30代前半で発症する「若年性乳がん」の人も増えていますから、年齢は問わず自己検診は忘れないようにしたいもの。今日からでもセルフチェックを習慣化できるように、やり方を覚えてくださいね。
【セルフチェックの方法】
1:見た目をチェック!
鏡の前に立ち、腕を上げ下げし、左右の乳房の形や大きさに変化がないかチェックします。凹みやふくらみ、ひきつれ、乳首の凹みやただれなどがないかを確認しましょう。
2:乳房をまんべんなく触る
あおむけに寝て、背中の下に枕を入れます。指の腹を使って乳房の外側から内側へ、上から下へ、乳輪から渦巻き状に外側へとしっかり滑らせてまんべんなく乳房を触り、しこりがないか調べます。
3:ワキ周辺をチェック
体を起こします。親指以外の4本の指を揃えてワキの下に入れ、乳房のわきに沿って下側に滑らせ、しこり(リンパ節の腫れ)がないか調べます。
4:乳首をつまんでみる
乳首を軽くつまんで、しぼるようにし、乳頭から血液の混じった分泌物などが出ないかチェックします。
セルフチェックのベストタイミングは、月経が終わって4~5日経った頃。
この時期は乳房がやわらかくなっているから、しこりなどの異常を発見しやすいの。なお、月経前は乳腺が張るので判断しづらく、おすすめできません。
良性と悪性の違い
もし、セルフチェックでしこりを感じたとしても、その8割は良性。
触るとコロコロ、クリクリと逃げるように動き、表面の手触りがつるつるしていたら、多くは「乳腺線維腺腫」と呼ばれる良性のしこりよ。
悪性の場合、指で触れたときゴツゴツ硬かったり、周囲と癒着して動きにくかったり。
また、「梅干しの種が入っている」と例えられることもあります。もちろん、これらはあくまでも目安の話で、一概には言えません。
ただ、ほとんどのしこりが良性だからといって、病院に行かないのは絶対にダメ。
セルフチェックでしこりがあったら、病院で詳しく検査してもらいましょう。 なお、乳がんに関しては「乳腺外科」が専門。婦人科だと思っている人も多いのですが、一般的に婦人科では触診くらいしかできません。
大きい病院には大体、乳腺外科がありますので、そちらで調べてみてくださいね。
乳がんは、セルフチェックで早期発見できる数少ないがんよ。
早期発見すれば、ほとんどの人が治ります。だからこそ日頃のチェックが大事。
毎月の月経が終わったタイミングでセルフチェックをしたり、入浴中、体を洗いながら胸を触って調べたりしてもいいわ。
習慣化することで、ささいな変化や異常に気付くことができるはずよ。
また、乳がん検診にちょっと怖いイメージを持っている人が多いとよく聞きます。
次回はその気になる「乳がん検診」についてお話しますね。
監修/松村圭子先生
Text/平川恵
初出:2013.10.24
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