女の欲望やセックス観は見た目じゃわからない。
この連載で何人もの“普通の女の子”をインタビューして、そのことをしっかり学んできたつもりの私ですが、Mさんの話を聞いて「まだまだ甘かったな……」と思い知らされることしきり。
(インタビュー1回目、2回目、3回目も合わせてどうぞ)
キラキラ女子を絵に描いたようなルックスに、お嬢様っぽい清楚なファッション。なのに可愛い声で話す内容は「廃墟化した団地でヤリまくり」「四股」「上司との会議室セックス」と超過激で、ヤリマントークが尽きることのない彼女。
最初から最後まで、まったく悪びれることなくポジティブなのも衝撃的でありました。
いやあ、私の拙い考察を掲載するスペースがあるのなら、彼女の武勇伝をもっともっと紹介したいところです!
さて、「女性アイドルは全員処女!」という間違った認識がまかりとおっていた昭和生まれの私にとって、Mさんのような女子は“レアポケモン以上の新種”。
その中でも一番インパクトがあったのはこの発言でしょう。
セックスはスタンプラリー!
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M: 言い方悪いんですけど、私にとってのセックスってスタンプラリーみたいな感じ。タイプでも立ち場でも性格でも出身地でも、今までいなかった新しい異性に合うと「攻略したい!」って気持ちになるんです。
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セックス=スタンプラリー!
身も蓋もない言葉ですが、もし自分がMさんのように若くてモテ系だったら……と想像すると、その気持ちは理解できます。
世間の目もあるからあまりおおっぴらには言わないけれど、許されるならいろんな相手にモテたいし、セックスもしてみたい。
それは、男も女も関係ないということに今さらながらに気づかされました。
とはいえ、Mさんも最初から奔放だったわけではありません。
ポジティブヤリマン、“ポジマン”として目覚めるターニングポイントになったのは、大学生のときに仲良くなり当然付き合うものだと思っていた男子に、セックスした途端「彼女を作る気ないんだけど」と拒否されたこと。
こんな扱いをされたら男性不信になりそうなものですが、面白いことに彼女には復讐心や恨み節が一切ありません。
一度はどん底にまで落ち込んだものの、結局は「自分にだってそういう気持ちはあるんだから、お互い様」と悟り、ポジマン街道を驀進し始めます。
男にふられた復讐に誰とでもヤリまくるとか、同性に疎まれるとかいう負のイメージが昭和のヤリマンだとすれば、平成のポジマンはカラッと明るい陽のイメージ。開き直った男らしさがあるんですよね。
女らしい容姿をしっかり利用しつつも「男だからこうだ」「女だからこうしなきゃいけない」という先入観を持たない姿は、かっこいいなと思いました。
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