楽しい時間の終わりに向けて

これは海外旅行へ行く時にも似ている。一番楽しいのは、空港に向かっている時であり、空港でビールを飲みながら搭乗手続きを待つ時である。ひとたび飛行機に乗ってしまえば、後は旅行の時間が減るだけだ。楽しい時間の終わりに向けまっしぐらということになる。

学術的な研究でもなんでもないが、相手との感情の起伏が同じような場合は身体の相性も良い、というのが一旦の結論である。そのため、自分だけ、ないしは相手だけが欲情している様を把握できたのならば、その人とは一線を越えない方がいいかもしれない。

以前「やらせてくれよ~、減るもんじゃないだろ~」と男が懇願する話を紹介した。その時、彼女は「減る! 私の価値が!」と一喝したわけだが、彼女も「阿吽の呼吸」と「身体の相性」については理解していたものだと思われる。あくまでも男がハアハアと欲情していただけの話なのだから。

Text/中川淳一郎