
いくら好みのタイプの男性であろうとも、「ニオイ」がイヤだったら100年の恋も冷めてしまう。僕が何度かセックスをしたことがある麗香さん(30代)は、僕と初めて事に至った後、こう言った。
「あぁ~、ニノミヤさん、やっと安心して楽しくセックスできたわ~ん!」
二人して快感の時間を終えた後のいわゆるピロートークだが、何が安心で楽しかったのかといえば、ニオイである。麗香さんは、僕と会う3ヶ月前に、ドンピシャ好みのタイプのA氏(30代)と合コンで会ったのだという。
彼は筋肉質でよく日焼けしており、白い歯とのコントラストが彼女にとってはキュンとしたポイントだった。聞くと、魚市場で仲買人をしているそうだ。
「それを聞いた瞬間、私は若干イヤな予感がしたのですが、あまりにも好みのタイプなのでまぁ大丈夫かなと思いました」
麗香さんが何がイヤかといえば、魚の生臭いニオイなのだ。彼女は高校生の時、親戚が大量に釣ってきて自宅のガレージにトロ箱に入って放置されていた魚が腐臭を発した時のトラウマから、生魚を食べられなくなった。いくら新鮮な刺身であろうとも、その時の魚の姿とニオイを思い出し、オエッ、となってしまうのだという。
ラブラブタイムを過ごすはずが…
そんな彼女が仲買人の男と恋に落ちかけたわけだが、肉体派であるA氏とのセックスをしたいと思った彼女は彼の自宅へ。彼の自宅は勤務先に行きやすいよう、市場の近くにあった。すると、彼の家の近くでタクシーを降りるとプーンと生臭い魚のニオイがしてくるではないか。
彼女は慌てて彼のアパートの部屋に避難するが、そこからが往生した。何しろ、A氏は魚を捌くのも仕事である。一日頑張って仕事をした後、家に帰って酒を飲みながら、今後本格的な交際に発展するかもしれない女性とラブラブタイムを過ごすぜウハハハハ、という状況にあったわけだ。
A氏の人生は魚とともにあったため、麗香さんのように魚のニオイが苦手な女性がいるなんてことは思ってもいなかった。魚は誰にとっても尊く、おいしいものであると思っていた。そのため、若干手指の洗い方は緩かった。麗香さんはA氏の指から魚のニオイが漂うことが途中から苦痛になってきた。また、洗濯前の衣服からも魚のニオイが漂っているような気持ちになり、とてもじゃないがセックスをする気にはなれなかったのだという。
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