
あなたは恋人との関係において、雰囲気を大切にするタイプでしょうか。それとも、率直に要望を伝え、コミュニケーションを重んじるタイプでしょうか。
たとえ前者と後者で食い違いがあったとしても、恋の初期は「好き」という勢いだけで成り立ってしまうものです。けれどもその効力には期限があり、せいぜい2年ほどではないでしょうか。それ以降は互いの存在が日常に溶け込み、関係が生活の一部として定着していきます。だからこそ、一番身近な存在である恋人との相性は、長く付き合ううえで決して軽視できないものだと思います。
そこで登場するのが「性癖16タイプ診断」という、一見すると怪しげな診断です。これは今年、「トメきゅん」という性癖マッチングサービスと、私がコラムニストとして駆け出しの頃に大変お世話になった恋愛ウェブメディア「AM」が協働して生み出した、無料の診断コンテンツです。
この診断は16タイプ診断をもとに、「性への好み」や「行動の傾向」を整理し、相性の良いユーザーとも出会える仕組みになっています。設問自体は「場の空気を整えるのが好きか」「相手の気持ちを先回りしがちか」といったシンプルなものですが、答えていくうちに性的な場面での振る舞いまで自然と浮かび上がります。「性癖16タイプ診断」という言葉が持つ物騒さに反して、実際には「自分にとって心地よい傾向」を言語化するための道具になっているのです。
「Sな男が無理」に年々なっている

私の診断結果はENFJ(主人公)で、以前に受けた通常の16タイプ診断と同じ結果でした。正直、最初は「性癖16タイプ診断?トンチンカンすぎるだろ」と穿った目を向けていたのですが、導き出された答えは意外と的を射ていて、「真面目に取り組んでしまったかもしれない」と反省しました。他にもやるべきことは山ほどあるのに。

ちなみに、この「性癖16タイプ診断」では結果をもとにおすすめのプレイスタイルまで提案してもらえます。私の場合は「相手を優先し尽くすケア型プレイ」と「時には受け身のシーンも取り入れるとさらに燃える」と書かれていましたが、確かにその通りだと思いました。「Mな男性が好き」というわけではないのですが、年々「Sな男性が苦手」になっているのは事実です。ただし、普段は従順な男性が時折オスらしさを出してくる場面に関しては、大歓迎であることも付け加えておきます。
雰囲気を大事にしたい派?リクエストしてほしい派?
診断を通じて気づいたのは、性癖のミスマッチは「好きなことそのものの違い」よりも「合図やサインの解釈の違い」から生じることが多いという点です。実際に友人が「雰囲気を大事にしたい派」と「はっきりリクエストしてほしい派」で付き合った結果、互いに「どうして分かってくれないの?」とケンカになったそうです。悪気はなくても、解釈が異なるだけで関係はぎくしゃくします。たかがセックス、されどセックス。セックスの流派の違いは二人の関係に地味に影響してくるものです。
だからこそ、性癖が一致する相手と出会う利点は大きいのだと思います。あらかじめ傾向を共有できていれば、ベッドの外での行動も理解しやすくなるからです。
ただし注意すべきは、診断結果を固定的に扱ってしまうことです。性癖は状況や関係性によって変化するものであり、決めつければ柔軟さを失います。診断はあくまで参考にとどめるべきであり、それ自体が枠組みになるのは望ましくありません。大切なのは、合意や境界を率直に言葉にすることです。性癖を語ることはベッドの中に限らず、「心地よいこと」「苦手なこと」を共有するための手段にもなるのだと思います。
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