更年期のセクシャリティに前向きに向き合う方法

ここからは更年期における性の不安を乗り越え、前向きで充実した性生活を送るためのヒントをご紹介します。

更年期がセクシャリティに与える影響とは?

更年期のホルモンバランスの乱れが、セクシャリティに影響を及ぼすことがあります。

女性ホルモンの分泌が低下することにより、相対的に体内で男性ホルモンの働きが強まるため、性欲が高まる女性も多いでしょう。

その一方で、女性ホルモンの減少により膣の乾燥や性器のかゆみ、性行為中に濡れにくくなることによる性交痛が起こることで、性欲が減少する女性もいます。

更年期によるセクシャリティの変化は人それぞれですが、更年期前と現在の心と体の変化が大きく、戸惑ってしまう女性も少なくありません。

更年期とパートナーシップ:コミュニケーションの重要性

更年期による体と心の変化によって、パートナーとの関係性が悪化するパターンもあります。

イライラをぶつけるようになったり、急に性行為を拒むようになったりして、「一体どうしてしまったのか」とパートナーを悩ませてしまうこともあるでしょう。

パートナーとの関係性を円満に保つためには、更年期に起こる体と心の変化がホルモンバランスによるものであると自分で理解するとともに、パートナーにも打ち明けることが必要です。

パートナーとコミュニケーションをとり、自分のセクシャリティや身体的・精神的変化について知ってもらうことがお互いの理解に繋がります。

長く連れ添ったパートナーの場合、今さら膝を突き合わせることに恥ずかしさをおぼえる女性もいるかもしれません。特にセクシャリティに関してはなかなか口に出せないこともあるでしょう。

しかし何も話さなければただ不機嫌だと思われるだけで、お互いに理解しあうことができません。

パートナーと話し合い、理解して時に支えてもらうことで、更年期の体と心の変化を乗り越えることができるでしょう。

更年期の身体的変化を乗り越えるための実践法

更年期の身体的変化を乗り越えるには、セルフケアが非常に重要です。

軽い有酸素運動やリラックス効果のある入浴剤を入れてゆっくり入浴すること、マッサージやヨガなどで体をリラックスさせることが効果的です。また体を温めるハーブティーやバランスのとれた食生活も更年期の身体的症状を和らげる効果があります。

さらに、膣をケアする、いわゆるフェムケアを行うことも大切です。
フェムケアで膣を良好な状態に保つことで、膣の乾燥や性器のかゆみ、性交痛の軽減も期待できます。

セクシャルウェルビーイングを維持するためにできること

更年期を迎えた女性がセクシャルウェルビーイングを維持するには、女性の悩みに合わせて開発されたフェムテック商品を使用してフェムケアをすること、そして定期的にセルフプレジャーを行うことをおすすめします。

セルフプレジャーは自慰行為のことですが、女性ホルモンの減少により膣が乾燥したり、委縮したりすることを予防するためにも効果的です。

セルフプレジャーをして膣を刺激することで血流がよくなり、粘膜の潤いが保たれ、膣の機能が衰えにくくなるといわれています。

またリラックス効果や幸福ホルモンのドーパミンなど心と体に良い影響を与えるホルモンの分泌を促す効果もあるため、更年期の女性の膣ケアのひとつとしてセルフプレジャーは非常に有効です。

最近では女性のセルフプレジャーをより快適にし、かつ膣ケアにも効果的なラブグッズも多く開発されていますので、ぜひ試してみましょう。

更年期後も充実した性生活を送るためのヒント

更年期を乗り越えた後の性生活など、今は考えられないという女性もいるでしょう。

しかし人間の性は生殖目的の時期を過ぎると、愛情の確認や親密さの維持、そして肌を触れ合わせてやすらぎを得るなどの目的に変化して続いていきます。

充実した性生活を送るためには、パートナーとの親密なコミュニケーションや変化した体と心に合わせたセルフケアが大切です。

性交痛で性交渉から遠ざかっている場合は、膣に潤いを与えるジェルなどのセルフケアの他に、婦人科で女性ホルモンを補うホルモン補充療法を受けるのも良いでしょう。

自分をケアすること、パートナーと話し合ってお互いに理解し合うこと、そして時には専門家の力を借りることで、更年期後も充実した性生活を送ることができるでしょう。