サシで飲んでいた場合、「あ、次会うときにオレたちはセックスをするな」と分かるときがある。それは互いにそのように思っていることが男女の機微として分かるのである。このときのサインとしてはなぜかサシ飲みの終盤、相手の女性が「ふふーん、ニノミヤさん、なんかあなた居心地いいね」などと酔っ払ってトローンとした目で言いながら突然テーブルの上で僕の手を取って握ってきたりする。そして会計時にこう言われる。
「う~ん、ニノミヤさん、2週間後の今日と同じ木曜日19時、渋谷でどう?」
こうなったとする。この場合、「19時から20時30分ぐらいまで飲み、その後は円山町のラブホテルに行っても構わない」というケースが案外多い。あるいは先方が場所は指定せず「2週間後の木曜日19時どう?」と言い、こちらが彼女の自宅を考慮しながらラブホテルの近い場所を指定し「渋谷」「新宿」「下北沢」「五反田」「吉祥寺」などと提案することもある。
飲みの間に二人して少しずつエロに向かって駆け引きをしながら盛り上がっていくのだが、互いにキチンと「23時頃の電車には乗る。だから少なくとも21時にはラブホテルに入っている必要がある。そのためには遅くとも19時に飲み会は開始しなくてはならない」ということなのだ。
これまでこのような経験は多数してきたが、上記のお誘いを受けた後、男は来たる「2週間後の木曜日」までいかに過ごすのか。エロをする約束をしてから出会うまでの心の動きについて今回は説明しよう。ニノミヤの話だけでなく、他の男の話も総合した形で、いかに男(特に若い男)が、頭の中が性欲の煩悩まみれであるか、が分かるかもしれない。
来たる当日までの心の動きとは
まず、約束をしたその晩、家に帰ったら飲み会のときの彼女から放たれた香水の匂いなどを思い出し、さらには酔っ払った目、シャツから覗く胸の谷間などを思い返しながらオナニーをしてしまう。「多分あの人が2週間後には脱ぐ」という期待をし、勝手な妄想をすると勝手にアソコが固くなってしまうので、その抑えきれない気持ちをなだめるためである。
さすがにそれ以降は仕事もあるため、そこまで彼女のことを考えることは減るものの、1週間前の木曜日になると再び彼女のことを考えるようになる。しかし、この日はオナニーをするのではなく、「いかにして自然な流れでスムーズにラブホテルに誘うか」という作戦を考えるようになるのだ。
何時に「今からホテル行きませんか」と言うか、一体どのような状態になったら行けるのか、を相手不在の中、勝手にシミュレーションし、さらには行く店でも何を食べるか考える。ネバネバとした山芋やら納豆、オクラは避けておきたいな、キスするときに歯を磨いていたとしてもねっちょりしたイメージに互いになるかもしれないしな。亜鉛が豊富なカキフライや生ガキを食べてアソコをギンギンにするのもいいな、などと考えるのだ。
そしていよいよ火曜日、2日前になると、もう興奮が収まらなくなり、一体彼女はどんな色の下着を着けているのか、どのようなフェラチオをするのか、といったことを考えるようになる。そして前日、もはや桜の満開前のような状態になる。
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