サプライズという名の地獄/59番目のマリアージュ

あなたはヒロイン?モブキャラ?

フラッシュモブで地面に横たわっている人々の画像 BildungsstreikDresden

 「フラッシュモブ離婚」「フラッシュモブ破局」という言葉を耳にするようになった。

皆さんご存知のように、フラッシュモブとは、突然そこらの連中がワーッと踊り出してプロポーズとかするアレである(雑な説明)。

破局を告げた側の「前からサプライズは大嫌いだと伝えていたのに、結婚式でフラッシュモブをされて一気に冷めた」「会社の前でフラッシュモブでプロポーズされて、もう恥ずかしくて会社に行けない」といった声を読むと「せやな」と思う。

一方、破局を告げられた側の「フラッシュモブでプロポーズしたら、まさかの『…考えさせてほしい』という回答で、協力してくれた友人たちも動揺するし、その後『フラッシュモブがイヤだった』と振られた」といった声を読むと「そら辛いな」と思う。

「そら辛いな」とは思うが、私もサプライズが苦手なので、フラッシュモブが始まったら「ザ・ワールド!時よ止まれ!」と叫び、全員静止しているスキに全力で逃げたい派だ。

それに完成度の問題もあるだろう。

フラッシュモブに協力してくれる友人たちは、プロのパフォーマーではなく素人だ。「こんなお楽しみ会レベルの寒い芸見せられてもよ」と体温が10度ぐらい下がる気がする。

逆にマイケルジャクソンのスリラーばりに、墓からリアルなゾンビたちがボコボコ飛び出し、華麗なダンスを披露してくれたら「お見事!結婚しよう!」となるかもしれない。

もしくはガチでゾンビが襲撃してきたと思って、そこらに落ちてる丸太で頭をかち割るかもしれない。

なんにせよ、サプライズが嫌いな人間と、フラッシュモブを企画するほどサプライズが好きな人間とでは、相性が悪いのだろう。

サプライズをされて「私のためにありがとう…!!」と素直に感動できる女は、自分がヒロインになれるタイプだと思う。一方「自分はヒロインじゃなくモブキャラだ」という認識で生きてきた女は、サプライズに動揺しつつ、半笑いで「…お、おう」的なリアクションしかできない。

私は一点の曇りもなく後者だが、皆さんはどうだろうか?