700年前から

「徒然草」書影 新版 徒然草 現代語訳付き (角川ソフィア文庫) [DVD]

ネットの普及により可視化されただけで、どの時代にも女disをする人々はいるものだ。

700年前に書かれた徒然草でも、吉田兼好は「女のいない世の中だったら、衣の着方とか冠のかぶり方とか気をつかわずにすむのに」「男に気をつかわせる女って超ウゼえ、ワガママでバカでうるさくて、でも頭のいい女も萎える、女爆発しろ」みたいなことを言っている。

かと思えば「でもいざ女と付き合うと、優しくて魅力的なんだよな」「女に恋をしないなんて男じゃない、でも夢中になりすぎると引かれるんだよな」とか書いている。結局何が言いたいねんという話だが、700年前から女と男の戦争は続いているのだ。

いくらなんでも進化しなさすぎじゃないか、人類。

もういい加減「男も女も大変だから、力を合わせようぜ」という話になってもいいんじゃないか。ひょっとして、壁の外から巨人が襲ってきたら「えらいこっちゃ、協力しようぜハンジ」「せやなリヴァイ」みたいな話なるのか。

でもそこまでえらいことになった暁には、人類は滅亡しているだろう。

我々の誰も人類の滅亡を望んではいないだろう。

「女だけの街があればいいのにな~」にしても、地球上から男を殲滅したいとか、三条友美の漫画のように人類がいったん滅亡して、男が女のウンコを食う世界を築きたいとか望んでいるわけじゃない。

ちなみに三条友美の「白の黙示録」を、私は夫のおかずライブラリーで見つけたのだが、「キミはこれで抜けるのか?」と聞くと「俺は何でも抜ける!」と伝説の剣を抜く勇者のように胸を張られた。

勇者はさておき、「女だけの街があればいいのにな~」は「女だけで安心して憩える場所があるといいな」ぐらいの意味だ。女だけなら気楽にタンポンを鼻に詰められるし、緊急時に鼻血が出ても安心だ。

そしてもし目の前に鼻血を流す男性がいたら「お嬢さん、これを」とハンカチを差し出す紳士のように、胸ポケットからタンポンをすっと抜くだろう。

困っている人がいたら助ける。それは男女関係なく、人類としての基本だと思うのだ。

Text/アルテイシア
※2018年2月6日に「TOFUFU」で掲載しました。

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