アメコミとSATC
タラレバ娘の主人公が、映画オタクの彼氏と『SATC(セックス・アンド・ザ・シティ)を否定する人とは一緒にいられない』と別れるシーンを読んで、「そういうとこやぞ」と思った。
『男ってなんでアメコミヒーロー好きなわけ?』と自分が気に入らないものは否定して、自分が好きなものを好きになれと押しつける。それはモラハラ夫や毒親と同じだ。
タラレバ娘たちは「いい年して女同士でつるんでるからダメなんだ」と金髪野郎に批判されるが、彼女らが幸せになれないのは年齢のせいでも女子会のせいでもなく、内省をしないからだ。
夫と付き合っていた頃、彼の一番好きな映画『スポーン』を一緒に観た時、全然面白くなくてびっくりした。だが、その感覚の違いを面白いと思った。
また、私もSATCが好きで何度もDVDを見返している。
「夜、ミランダが飛んでいる蝶を見て恋人を思い出す」というシーンを観てほろりとしていると、隣にいた夫が「アゲハ蝶は夜に飛ばないぞ」「キミはアゲハ蝶が夜に飛んでいるのを見たことがあるか?」「クワガタやカブトムシは夜行性だが、アゲハ蝶は昼行性だ、この作品は昆虫の生態を無視している」と文句を言っていた。
私は「やっぱこの人、面白いな」と思って、ますます夫を好きになった。
私は恋愛ドラマが好きで、夫は昆虫の生態が好き、それでいいのだ。夫はそのままの私を受け入れてくれたから、私もそのままの夫を受け入れている。
だからデキる男になって出世なんかしなくても、それでいいのだ。
余談だが、『できる男はウンコがデカい』という書籍がある。問題はどうやって確かめるかだろう。
採用面接で「ちょっとウンコしてみて」と言うと、圧迫面接になる。ウンコをチェックして「よし内定!」と決める企業は、明日にでも潰れるだろう。
ともあれ、デキる男ぶってる奴に遭遇したら「ウンコはでかいの?」「直径と長さはそれぐらい?」「一回で流れる?」と質問して、積極的に嫌われたいと思う。
いつもの癖でウンコの話になったが、40過ぎてウンコとかチンポコとか言ってても生きていけるので、皆さんも安心してほしい。それでいいのだ。
Text/アルテイシア
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