納得してくれない男性たち

しかし、これらを素直に告げたところで相手の男性が納得してくれるとは限らない。ゲスい好奇心から聞いてくるタイプの男性ならば、興味本位が満足したところで、その話題は忘れてくれるけれど、嫉妬心からこちらの過去を把握したいと考えるタイプだと厄介です。あるときも、「そういういろいろの要素が絡み合って……」と述べていたところ、「結局、露出狂ってことでいいの?」とオチをつけられそうになったことがありました。

もちろん要素のひとつに露出狂的な性癖があることは間違いないけれど、そればっかりではない。そこをわかってもらいたいんだけど、どうやら相手は露出狂ということでまとめたいようでもある。ううむ……と考えたあげく「そうかもしれませんねっ!」と感じ悪く言い放つことで相手の口を塞いだのは、不毛過ぎるやりとりだったし、今になって思うのは、別にまともに応対なんてしなくてよかったよね、ということです。

だっておそらく向こうは、なんのために脱いでいたかなんて、知りたいわけではなく、わたしから後悔の言葉を引き出し、今後は脱がない(=俺に対する貞操を守る)という担保が欲しかっただけだと思うのです。けれど、こっちは反省なんてしたくないわけで、どうやっても堂々巡りでしかない。ちなみにその男性と別れた後は、これ以上にないほど清々しい気持ちでネクストフェイズへと突入することになりました。ストレスを感じる相手と付き合っている意味なんて、まったくもってないのに、なぜ人はそういう相手にも、恋心を抱いてしまうのだろうか。

Text/大泉りか