完全に油断したまま中に入ると、そこには見たこともない程モダンな空間が広がっており、「わあ~」と声を漏らした自分が貧乏人丸出しで早速惨めな気持ちに。
それから、うっかり感動しそうになるのを抑えつつ上に登って行ったのですが、どうしてこんな息苦しくなってるんだろう?という問いの答えは「貧乏だから」以外に思い当たらず、すれ違う丸ビルユーザーの、いかにも高そうな素材のコートを見ていたら劣等感が爆発して叫び出しそうになりました。
恐らく、「むしゃくしゃしてやった」に至る心理がこれでしょう。
…って犯罪心理をこんなところで体感させられるとは……。
そんな中、やっぱりBEAMSの存在は浮いており…いや、私からしたらBEAMSだって充分なハイブランドですが、
そういう事じゃなくて、だって持とうと思えば高校生だって持てるブランドじゃん!
天下の丸ビルがあんな一等地にBEAMSを招き入れた理由がさっぱり分からないよ!
「癒着でもしてるのかな?」
そう言いながら一通り見て回り、やがて目当てのレストランフロアに到着。庶民に媚びる気など一切無い様子のレストランはどこも敷居が高く、いかにも業界人っぽい様子の人たちがしれっとした顔でサラダを食べている所を見ていたらなんかよく分かんないけど傷付いた。
そして貴重品のようにゆっくりと転がされるコロッケを見ていたら、「私だってそんなに大事にされたことない!」と叫び出しそうになった。ものすごい敗北感です。
夏はナンパスポットにもなるというテラスにも出てみましたが、寒風吹きすさぶ中ではさすがに誰もおらず、
観光に来た老人グループが東京駅を見て「なつかしい」等と言っている光景があるのみでした。