決して嫌われないクリーンなCM女王
料金プランやテザリングに関して、“やりましょう”の一言で逆チキンレースのような後出し合戦が続いたiPhone5パニック。
「お尻を出した子一等賞」を体現することで、卒業した後も“永遠の一位”であることを世に知らしめた前田敦子ショック。
世間があたふたとバタついている隙を突き、盗塁のような狙いすましたタイミングで発表されたのが、「上戸彩、EXILEのHIROとバースデー婚」のニュースでした。
かねてから交際報道はあったものの、意外といえば意外なこの組み合わせ。
しかしどうでしょうか、こののど越しの良さと、しっくりくる感じは。
久々の大物タレント同士の結婚報道にもかかわらず、世間はこのニュースを抵抗感なく、きわめてすんなりと飲み込みました。
何をしても、なんだかんだ嫌われないし、反感を持たれない。
その絶妙な立ち位置こそ、周到でしたたかな上戸彩の最大の強みです。
今回は、「上戸彩はなぜ決して嫌われないのか」を考えてみたいと思います。
思い返せば上戸彩には、現場の悪評や男遊び、整形疑惑など、人気女性タレントにつきもののスキャンダルがほぼありません。
そのおかげか、2012年上半期のテレビCM総露出秒数では堂々の第1位。
官公庁などのお堅い広告のイメージキャラクターになることもしばしばです。
そのクリーンなイメージを支えている一因として、彼女が「全日本国民的美少女コンテスト」出身であるという出自が挙げられるでしょう。
“美少女コンテスト出身”の呪縛から逃れてひとり勝ち
しかし、美少女コンテスト出身であることは、タレント活動に決してプラスに働くわけではありません。
というのも、このコンテストでグランプリを獲った女性はブレイクできない、という暗黙のジンクスがあるからです。
グランプリ受賞者で今も名前が残っているのは、藤谷美紀、細川直美、佐藤藍子など、初期のレジェンド感漂う人ばかり。
むしろ、米倉涼子や福田沙紀、忽那汐里、武井咲など、グランプリ落選者のほうがブレイクする傾向にあるのです。
上戸彩もまた、1997年に行われた第7回大会の審査員特別賞でした(ちなみにそのときのグランプリは須藤温子)。
この不思議な現象の原因は、「日本全国のみんなから国民的に愛されなければいけない」というプレッシャーのあまり、当たり障りのない最大公約数的な美少女をグランプリに選んでしまうからだと考えられます。
“誰からも好かれる”という無難さは、同時に“誰からもスルーされてしまう”凡庸さと諸刃の剣なのです。
その点、上戸彩の顔立ちは、実はけっこう個性的。
安藤美姫や本仮屋ユイカと同系列の、プテラノドン系のエッジの利いた輪郭。
右目より左目のほうが若干細い、微妙なアシンメトリー感。
そして何よりも、締まりのない口元の、あの絶妙にだらしない感じ。
「ボーイッシュなのに隠れ巨乳」といったことも含め、この“ギリギリ下品にならない”さじ加減こそ、彼女が同性からの反感を買わず、男性支持を集めた理由でしょう。
その結果、彼女は「全日本国民的美少女コンテスト」の出身者としては、異例のひとり勝ち状態を手に入れたのです。
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