「別に独身でもよくない?」もズシンとくる

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私はこれまでなんども恋愛をしてきて、何人も交際をしてきて、なんども振られてきた。結婚したくてもできない、報われたいのに報われない、いわば幸が薄い女だ。
母のこの願いに最近は罪悪感というか、申し訳ない気持ちというか、複雑なもやもやを感じてしまうようになった。

なぜなら私は「結婚できない人」の民の者だから。30を迎えると独身の人はまじで焦りはじめるって聞くけど、27歳まであと数日の自分はようやくそれがどれくらいきついかってことに気付いた。
まあもともと恋愛には恵まれていない人生なので、ハタチの頃からいろんな年上の大人たちと接してきたおかげで心の準備はできていたから、「三十路なんてこわかねー! さっさとこい! 待ちくたびれてやんよ!!!」という心構えでいる(半分は無理してます)。

結婚するしないの自由がある人間に、俺たちの気持ちがわかってたまるかよ! 3月に入ってから、そんな怒りが、怒りの対象もないのに沸いてきて、勝手に一人で険しい顔をしていた。
なぜか勝手に仲間にされてしまいがちな「結婚できない人」は「結婚しない人」に、
「別に独身でもよくない? なんで結婚したいの?」
と言われてしまう謎の現象がある。私にとっては「結婚しなよ、いきおくれるよ」って言われるくらいズシンとくる言葉なんだけどなあ……と思いながら、アハハと笑って返す。

あー。別に結婚後の生活がどうであれ、とりあえず結婚したって事実を手に入れて、母にそれを報告できる人生がほしかったなー。
焦ったって無駄なので、今は目の前の仕事を頑張って、周りの人たちを大切にして、趣味を楽しんで、死なない努力をするしかないのだ。それでいつか、「まあこんな人生も案外悪くないな」と思えたら、それもまたいいだろう。私みたいな人たち(みんな)も、そうなれるように一緒にがんばろう。

Text/oyumi
記事初出:2020.03.23