セフレから本命になるにはぶっちぎりに面倒くさいことをやれ/峰なゆか・卒業♡アラサーちゃん

まもなくアラサーを卒業する峰なゆかさんが、アラサー世代を経た今だからこそみなに伝えたい、女道サバイバル術をエッセイとイラストでお送りする連載です。アラサー以降の方も若い方も、ぜひ参考にしてください!

真剣交際がイヤな理由

前回、セフレにされてる女とセフレにしている男、さらに飲み会でその関係を公言して憚らない二人について書きましたが、どちらかというと私はセフレにしている男側の気持ちのほうがよく理解できる。なんで定期的にセックスする程度には好意を持っている相手と、しかし付き合うという体裁をとるのはイヤなのかというと、なんとなくめんどくさいからだ。誰かと真剣交際すると死ぬ病気だとか、真剣交際に故郷の村を焼かれたとかいう過去があるわけではない。なんとなく。めんどくさい。
マジでその程度の感情のみで真剣交際を避けようとしている。

最高にめんどくさいことをやれ

セフレにされてる女がいよいよセフレ脱却を画策したときにやりがちなのが「付き合わないなら、もう会わない!!」と宣言することだ。ご丁寧に「私と付き合う」、もしくは「タダマンを一個失う」という選択肢を用意してあげているわけだけど、セフレにするタイプの男は当然後者を選ぶ。だってそっちのほうがめんどくさくないから。
私は年収3千万円以上の男と出会うたびに「今の奥さんと結婚することにした決め手は何ですか?」という質問をするようにしているのだけど、「妊娠した」「仕事がうまくいってないときも支えてくれた」などの想定の範囲内の解答を頭ひとつ抜かして、最も多いのは「結婚してくれなきゃヤダヤダヤダー!!」としつこくゴネられたから、という結果になった。

と言うと、件の飲み会にいたセフレにしてる側の男は「マジで!?そんなの一番女にやられたくないことなんですけど!?」とものすごくイヤそうな顔をしていて、そこなんだよ。セフレをキープしたい側の人間にとってクリティカルにイヤな行為だからこそ抜群の効果を発揮するんですよ。
真剣交際をするというなんとなくめんどくさい行為をなんとなくめんどくさいというお気持ちで拒否する輩には、なんとなくどころじゃなくてぶっちぎりの最高めんどくさいことを押し付け、まだめんどくさくない方向、つまり消極的ながらも交際を開始させるという方向性に持っていくのが得策だ。

私がもしセフレにされていて、その関係を不満に思っていて、真剣交際に発展させたい女だったとしたら、彼の前で全身全霊でゴネまくる。渋谷のスクランブル交差点で寝転がって足をバタバタさせながら「セックスしたんだから責任をとれ!!」と泣いて絶叫する。Facebookにツーショット写真を相手のタグ付きで載せる。「新宿で鰻食べてからバリアンリゾートでも行こ☆」と誘ったデートの鰻屋に無許可で私の両親を連れて行く。本気でやる。
でも多くのセフレにされてる女がそれをやらないことは知っている。