AM読者の皆様初めまして、30歳独身街道爆進中の漫画家のあんじゅ先生(@wakanjyu321)と申します。
私はずっと漫画家だったわけではなく、2、3年前まで普通に社会人として働いていました。仕事は正規大学職員。ちょっとお堅い職業です。新卒で卒業した大学に入ったため、大学以外の世界を知らない人間でした。
それがイヤでイヤで、17時ピッタリに職場を出て、女友達の銀行員と夜な夜な異業種交流会などのパーティによく参加してました。
今回は、そこで出会った愛人契約タワマン男の話をさせていただきます。
タワマン男との出会い
当時の私はキラキラした大人のパーティーに、大学職員にはいない派手なスーツや時計。セールで少し安くなったワンピースと300円で買ったイヤリング。7センチヒールを履いて、銀行員の女友達と参戦。銀行員と大学職員というペアで、なかなか男性ウケの良いナイスコンビでした。
全然関係ないですが、こういうパーティで声をかけて欲しい女子は
・同年代の女子2人で行動
・褒められやすいようにアクセサリーをつける
・店内の端ではなく、やや中央よりの場所でニコニコと話しながら待機(爆笑NG)
こうしていると、男性側も声をかけやすくなります。脱線しましたすみません。
私たちの目的はただ1つ。
“職場にいないようなオトコに話しかけられてチヤホヤされたいっ”
でした。
そういう意味では真剣交際を求めての参加ではなく、他の仕事の話を聞いて世界観も広げて、チヤホヤとされれば幸せで、2次会は誰の誘いにものらずに、銀行員友人と2人でカラオケしていました。
チヤホヤパーティーも10回目を到達しようとした時、スラッとした30代後半くらいの男性に声をかけられました。
「一目惚れです……」
と10歳以上離れた方に真剣に言われ、多少困りましたが、まぁ不動産屋社長と聞いて即LINEを交換しました(おい)
一人暮らししたかったしね……(おい)
お、お金もってそうだしね!!(おい)
大人な男性にクラッ♡ からの大逃亡……
ちょうどその時はバレンタインデーの時期。ケチな私は毎年手作りなんですが、 大量生産できるドーナツを作りました。
不動産社長(以下、社長)から食事に誘われたため、まぁ何もあげないのも微妙かと思い、量産型ドーナツをあげるとえらく感動されたのを覚えています。
3月は私の誕生月。
社長になんでも買ってあげると言われましたが、ブランド物とかあまり興味がないため美容家電を買ってもらいました。そして、夜景が見えるレストランを予約してもらってお食事をしました。
比較的まじーめに生きていたため、こういう経験は初でドキドキです。また、社長には
「将来は趣味の絵を描いていたい」
と言っていたのですが、それも応援してくれていました。
誰しも大学職員を続けることを望む中、本当に私のやりたいことを認めてくれる人がいて、金銭的にも援助してくれる…こんな良い人はいない!そう思いました。
一人暮らしする部屋を探していると言ったら、
「ボクには別宅があるから、そこに住むといいよ」
と言われ、
(別宅?やっぱカネ持ちってスゲー)
と感動。
そして何度目かのデートで、別宅を見てみることに。タワーマンションの高層階に案内され、広すぎる室内で2人きりになりました。
ドキドキ……
不動産屋の社長から
「もう気持ちわかってくれていると思うけど、好きなんです……」
と言われ、ドキドキもマックス。
「愛人として付き合ってください!」
YESという答えをスタンバイしていたので、まさかの大告白に一瞬ホワイトアウト。
「妻もこの別宅のことは知らないから大丈夫。 平日は家に帰らなきゃいけないんだけど、日曜日は僕もここで寝れる。だからお願いっ」
と、手を掴まれました。
なんとか自分を取り戻し、これはダメなやつだ!と振りほどこうとしました。しかし男性の力のほうが強い……。
夢だった絵の援助のことも言われながら説得されましたが、これは不倫。しかも離婚する気がさらさらない。
キラキラしたビル群の光を遠目で見ながら思いました。
ここでYESと言ったら、私は退職して絵を描いて生きていられるのかと。セレブの仲間入りなのかと。
しかし、この人が飽きるまでの愛人契約なのか…と。
私は
「ムリ! 帰る!!」
と大きな声で言い、ダッシュでその家から出ました。
タワマンのエレベーターのボタンを連打し、すぐ下におります。たくさんの着信が来ていましたが、 それも無視しました。
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