仕事を選ぶか、愛を選ぶか……。女性なら誰しもそのような選択に直面することがあるでしょう。ドイツが東と西に分かれていた時代を舞台に、堅実な愛を描いた作品がドイツで誕生しました。
主演はベルリン国際映画祭で女優賞を受賞するなど、輝かしいキャリアを誇るニーナ・ホス。本作でベルリン国際映画祭銀熊(監督)賞に輝いたクリスティアン・ペッツォルトが、一級のサスペンスでありながら感動的なヒューマンドラマの側面をも見せてくれる奥ゆかしい物語に仕立て上げています。
1980年の旧東ドイツの田舎町に、一人の美しい女医・バルバラ(ニーナ・ホス)がやって来る。彼女の名はバルバラ。西ドイツに住む恋人ヨルク(マルク・バシュケ)との生活を夢見ていた矢先、この地に左遷されてしまった。秘密警察<シュタージ>に監視されながらも西に脱走する計画を進めていたが、新しい病院の同僚アンドレ(ロナルト・ツェアフェルト)の優しさに特別な感情を寄せていく。
やがて医師として求められていることへの葛藤と、2人の男性の狭間で揺れ動くバルバラ。それでも、西側への脱走の日は刻一刻と近づいていく――。
猜疑心が渦巻く監視国家の中でバルバラは、医者として求められる自分と、愛を求められる自分のどちらを選ぶのでしょうか。
女としてのバルバラの生きる道はベルリンの壁を貫き、すべての女性に勇気を与えてくれるはず。
バルバラの愛の行き先は、恋や仕事に臆病なあなたの背中をそっと押してくれることでしょう。
1月19日(土)より Bunkamuraル・シネマ、川崎チネチッタ他にて全国順次ロードショー
監督・脚本:クリスティアン・ペッツォルト
キャスト:ニーナ・ホス、ロナルト・ツェアフェルト、ライナー・ボック
配給:アルバトロス・フィルム
原題:Barbara/2012年/ドイツ映画/105分
URL:映画『東ベルリンから来た女』公式サイト
Text/Michihiro Takeuchi