「不治の病にかかった若い男女のラブストーリー」
なんて聞くと、よくある難病モノでしょ?って毛嫌いする人もいる。重くて悲しい物語をわざわざお金を払って観たくないって人もいる。
でも、この映画は意外性に満ちている。男女が限られた時間の中で輝いていて、簡単には結ばれない。二人とも「傷つけたくない」「いつか忘れ去れられる」と互いに距離を置くところからラブストーリーは始まる。
死に対してシニカルなスタートラインからどう着地するのか。そのゴールには激しく心を揺さぶる結末が待ち構えています。
原作は、16歳の若さで亡くなった友人をモデルに書いたジョン・グリーンの『さよならを待つふたりのために』。ニューヨーク・タイムズの2012年のベストセラー第1位になったこの小説を、新鋭ジョシュ・ブーンが映画化。脚色を『(500)日のサマー』のスコット・ノイスタッター&マイケル・H・ウェバーが手がけ、全米でオープニング興行成績1位を獲得するなど世界中に社会現象を巻き起こしています。
末期ガン患者のヘイゼルを演じるのは、『ファミリー・ツリー』でジョージ・クルーニーの娘役を演じて「ゴールデン・グローブ賞」にノミネートされたシャイリーン・ウッドリー。皮肉屋の彼女に恋をするのは、ウッドリーと『ダイバージェント』で共演したアンセル・エルゴート。
瑞々しくて繊細な恋愛模様を描き出し、2人とも本作でティーン・チョイス・アワードの主演賞に輝きました。
お涙頂戴映画に収まらない新たな“ラブ×難病ストーリー”
【簡単なあらすじ】17歳の末期ガン患者のヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)は、どこに行くのも酸素ボンベが必要。13歳から入退院の繰り返しで、友達もできず、孤独な青春を送っていた。
嫌々ながら参加したガン患者の集会で、ヘイゼルはオーガスタス(アンセル・エルゴート)と出会う。一目見て惹かれ合う2人だが、ヘイゼルは友達のままでいたいと頼む。「死」を爆弾にたとえて、「まわりを壊滅させるから、被害を最小限に食い止めたい」と打ち明ける。
オーガスタスもまた「忘れられること」を不安に思い、友達でいることを望む2人はヘイゼルが大好きな作家ヴァン・ホーテン(ウィレム・デフォー)に会いにオランダへ発つ。その旅で待ち構えていたのは、想像を裏切る展開と予想もしない運命だった――。