子どもスイッチは、恋愛にもセックスにも影響する

もう少しわかりやすい例として、個人的ではありますが、筆者の性に関する“いい子スイッチ”の話を、ちょっと紹介させてください。
私にももちろん“いい子スイッチ”は色々仕込まれており、過去いくつか気づいて、止めるように意識していたことがあります。
その1つが、「家族間で性的なことをにおわせてはいけない」という親のルールに、無意識的に従おうとするスイッチでした。

我が家はもともと、性的なことが気づいたときから敬遠された家でした。キスシーンや下ネタ、エロ本はおろか、裸でウロウロしたり家族で温泉に入ったりもしません。親の裸を見たのは、かれこれ30年くらい前……という、ちょっと極端な家でした。
気づいたときには、性的なことを家族間でにおわせてはいけないという暗黙のルールがあり、10代だった筆者は、男性と初体験をした時も、行為にカラダは預けられても男性器を直視できない、という屈折した恐怖心を持っていたりもしました。

そんな自分を力技で克服し、「下ネタなんでも来い!」という自分に鍛え上げたのですが、ある時彼とのセックス中に、自分の希望を言葉で伝えることを、極端に怖がっていることに気づいたのです。
もちろん奥手だったり、経験が浅くてなかなか伝えられないのはわかります。でも当時の自分は、なんでもハキハキ言うし、それなりに男性経験もあったし、男性器ももう直視できていました(笑)。
それなのに、こうして欲しい、こういうことがしたい、といった相談を、彼氏と親密になればなるほど、怖くてできない自分がいたのです。

これはおかしい……とゆっくり思い振り返ると、家族間での“極端な性の回避”が思いあたりました。
彼氏と親密になるほど性に対してオープンになれないのは、それだけ家族のような存在として自分の中で彼氏を位置づけ、だからこそ性を匂わせてはいけないと思っていたからなんですね。
気づいた後はその気持ちを手放すだけでよいのですが、とはいえ、今でもよく落とし穴にハマりそうになります。

いわゆる「親の呪縛」って奴ですが、呪縛と言うほど大げさじゃないトラップを子どもは常にいくつも抱え、そして自分の人生にクセとして根付いているものなのです。

帰省の話しから少し脱線してしまいましたが、親との生活で身についてしまった無意識のスイッチは、先程の話のように恋愛やセックスなど、色んな面で発動されます。
こういったスイッチは、カウンセラーさんなどプロに解き明かしてもらうことがベストかもしれませんが、実家に帰省した際に親の言葉で反応する気持ちとゆっくり向き合うと、自分で気づけるときが多々あります。
自分の家族のクセや、自分の中で無条件に反応するポイントを探って、ちょっと成長につながる帰省にしてはいかがでしょう。

年末年始は心とカラダを休めつつ、新しい気づきや行動で、もっと自分の人生をよくできたら良いですね。