Vinils By davidMonroy
著者はノンフィクション作家で、企画AV女優たち人の人生を赤裸々に綴った『名前のない女たち』が映画化され、名前のない女シリーズを代表作として持つ中村淳彦さん。
本書は、低収入で性風俗や援助交際を副業とする女性たちをテーマとし、現代社会の在り方について読みとるという試みのもとに描かれています。序章「女子大生と貧困 3人に1人が売春予備軍」から始まり「副業としてのセックス 貧困ライン8500円」「風俗志願者が増え続ける理由 採用率30%」などからなる全4章で構成。
スポットが当てられているのは貧困状態が続く低所得層の女性だけではありません。例えば序章の女子大生編では、慶応大学出身の一流企業のOL、24歳が紹介されています。彼女は、地方出身で学生時代は学費を自身で払うためにソープランドで働いていたというのです。就職した現在も、時間が空くと「1日ボーっと過ごすよりはお金を稼いだ方がいい」という思考があり高収入サイトを眺めているといいます。
そのほか、非正規雇用の女性、ワーキングプアのアラフォー女性、転職に失敗した女性などのインタビューに加え、AV女優の出演料などにも迫ります。
セックスを副業とする女性たちの背後にはなにが?
書名:『デフレ化するセックス』
著者:中村淳彦
発行: 宝島社
価格:¥780(税込)
Text/Yuuko Ujiie