Paris By Moyan_Brenn
本書は、パリで働く日本人の生い立ちや生活ぶり、その職業に就いたきっかけなどをインタビューしてまとめたルポルタージュです。
著者の川内有緒さんはパリに行く以前にアメリカで暮らした経験があります。アメリカで出会った日本人は、勤勉で目標もきっちりと定まった人々が多かったといいます。しかし、パリで出会った人々は大違い。渡仏した経緯も十人十色で、型破りな人生観や価値観に興味を持ったそうです。
掲載されているのは、未経験にも関わらず、パリの3つ星レストラン・アストランスのシェフに働かせてほしいとアポなしで訪問した30歳の女性、病気を機にオペラ座で漫画喫茶を開いた若夫婦、美大もでていないのにフランスで画家になることを突然決めた女性、アーティスト、カメラマン、花屋、国連職員…など、パリにいつのまにか住み着いた日本人10人。
著者自身もパリで生活をするようになり、「先のことは考えずに、頭に浮かんだことをやる」という新しい価値観に出会ったそう。 自分を探しにパリに来る人がいて、そこで何かに夢中になり、何のしがらみもなく、受け止めてくれる空気間がある。そんなパリだからこそ そういう価値観がうまれるのではないでしょうか。
流行の発信地であり、優雅でお洒落、伝統と最先端が混在するパリ。憧れのパリを今までとは違う視点で描いています。恋に、仕事に、そして新たな世界に一歩踏み出したいあなたに読んでほしい一冊です。
書名:『パリでメシを食う。』
著者:川内有緒
発行:幻冬舎
価格:¥720(税込)
Text/Yuuko Ujiie