彼に依存するのではなく、自分で立っていけるように
不安を感じているときって、つい自分のことばかりでいっぱいいっぱいになりがちだと思うのですが、一度彼の立場になって考えてみましょう。
彼は「外に出られずに気が滅入っている」とのことですが、そういった精神状態のとき、恋人にどうしてほしいか、どうしたらそれが解消されるのかは、人それぞれ違います。
相談文を読む限り、恐らくあなたは「会えないからこそ頻繁に連絡を取り合いたい」「相手がつらいときこそ寄り添って助けになりたい」と思うタイプのように感じたのですか、いかがでしょうか?
それはあなたの考え方なので決して悪いわけではないのですが、もしかしたら彼氏はそうではないかもしれないですよね。
「気が滅入っているときこそ一人きりになりたい」「連絡頻度を減らして自分の時間をつくり、その中で冷静に気持ちを整理したい」というタイプかもしれません。
不安なときこそ、相手に言葉や行動で安心感を与えてもらいたくなる気持ちもわかりますが、全く後ろめたいことがないのにもかかわらず「なにか女友達とやましいことがあるんじゃないか」と疑われたり、ただ気が滅入っているだけなのに「わたし、なにかした?」と聞かれたりしたら、鬱陶しいと思ってしまっていることも可能性としてあります。
少し厳しいことを言うようですが、「彼の助けになりたい」という考えは、少々おこがましいと思います。
彼が何を求めているか、どうして欲しいかが全く見えていない状態で、“〇〇してあげたい”という自分の気持ちばかりが先行しているのは、自己満足です。
自分がされて嫌なことは人にしない、自分がされてうれしかったことは誰かに同じようにお返しする、というのは大前提ですよね。
だからといって、自分はされても嫌じゃないから人にもしていいんだ、自分がされてうれしいことは相手だって同じようにうれしいに決まっている、と思い込むのは大間違い。
あなたと彼は別の人間ですから、あなたの彼のための行動が感謝されるものなのか、それとも迷惑だと思われるものなのかは、彼次第なんです。
あなたはよかれと思ってやっているのかもしれませんが、傍から見たら自信のなさを彼の言動で埋めようとしている行動と捉えられかねません。
もう少し、自分の感情先行型の行動ではなく、彼の立場で、彼だったらどう思うかまで、想像してみてはいかがでしょうか。
こういう情勢だからこそ仕方のない部分はあるとは思いますが、あなたたちは圧倒的に話し合いが足りていないのではないでしょうか。
あなた目線でのお話ししか聞いていないので、彼の態度の温度感や言葉の強さなどはわかりかねますが、彼は彼でもう少しあなたの気持ちに寄り添ってあげてもいいような気がしますし、あなたはあなたで彼に嫌われたくないからと、すごく下手に出ていて、言葉を選び過ぎているようで、ミスコミュニケーションが生じているように感じました。
嫌われるのが怖い、彼にとって必要な存在であり続けたい、と自分にプレッシャーを与えることは、長い目で物事を見たときに、あなたのためにはなりません。
ただ、あなたが「冷められてしまっているかもしれない」と不安に思う気持ちも、わかります。
そりゃあ、大好きな彼に冷められたと感じれば、誰だって悲しくもなりますよね。
でも、“冷められる”というのはあくまでも受動的な立場なんです。
残酷な言い方になってしまいますが、相手の気持ちが冷めてしまったら、自分の意志でどうこうできる部分ではありません。
だからこそ、あなたが今できることは、彼に対する依存心をなくし、彼ありきの自分ではなく、きちんと自分の足で立って接することではないでしょうか。
「コロナのせいで見えなくていい部分まで見えてしまった」「コロナ禍にさえならなければ彼と仲良しでいられたのに」と思うのではなく、自分のあり方、彼との接し方、お互いの今後の関係性を見つめ直すいいきっかけになったと前向きに捉えてくださいね。
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この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。
最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン!と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。
Text/ものすごい愛
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