他人のことを羨ましく思うとき、どうしても相手のいい部分しか見えなくなってしまったり、見えている部分がその人の全てだと思ってしまったり、自分が持っている幸せの価値を下げてしまいがちです。
そんなつもりはなくても、どんなに気をつけていても、視界は曇ってしまうもの。
でも、ご友人は義理のご両親との関係が悪いはずとか、結婚生活がうまくいっていなさそうだとか、そういう風に自分より劣っていそうな部分を無理矢理に見つけて安心したり、思い込みから悦に入って気持ちを楽にしたりしよう、という意味ではないので勘違いしないでくださいね。

わたしがあなたに伝えたいのは、今見えている事柄だけが全てではないということ、本質に肉付けした部分かもしれないこと、そして、人生はとてつもなく長いということ。
これらを、頭に入れておいてほしいと思います。
今回の相談のテーマである「どうすれば、大好きな友人の結婚式を心から祝福できるのでしょうか」に対する答えは、それにつながっています。

たしかに、結婚式は素敵な空間です、たくさんのハッピーが詰まっています。
でも、結婚式の規模だけでは、人の幸せは測りきれません。
わたしももうすぐ30歳になりますから、これまでいろいろな結婚式に招待していただきました。
教会式や神前式、披露宴だけの参列、双方の友達をたくさん招待した式、仕事関係の人をたくさん招待した式、新郎側の友人として呼ばれた式、新婦側の友人として呼ばれた式、規模も、かたちも、顔ぶれも、様々。
招待された側の意見ですが、正直なところ、結婚式の規模やかたちは、なにも気にしません。
新郎新婦が心から愛し合っているなら、それはどんなものでもとても素晴らしい式なのだと思います。

あなたの人生の主役は、あなたです。
肉付けされた“結婚式”だけに注目しないように、ご友人自身のいいところや、彼女との思い出という本質を、フラットな気持ちで眺めてみてほしいと思います。
そして、結婚式はたしかに一大イベントですが、結婚式を終えてからの生活は、ずっとずっと長いのです。
ハレの共有も素晴らしいものですが、ケの共有だって尊いものですよ。
今はまだ難しいかもしれませんが、物事を大きく捉えて、長い目で見てみようかな、という心掛けは持ってほしいと思います。

でもね、ご友人の結婚式に、無理に行く必要はありません。
これは、「相手に失礼だろ！」という苦言ではなく、「行きたくないなら、別に行かなくったっていいんだよ」という選択肢の提示です。

わたしは、数合わせだと明確にわかる結婚式だったり、「へぇ…こいつ、よくわたしを呼ぼうだなんて思えたな…」という相手の結婚式は、テキトーな理由をつけてガンガン断ってますよ、ガハハハ！　
嘘も方便といって、大人なんだし断る言い訳なんてどうとでもなります。
まあ、あなたの場合、わたしと違って相手が大切なご友人なので、行かない決断をするのは憚られてしまうのかもしれませんが、「無理に行かなくてもいい」という選択肢があるだけで、気持ちは軽くなるはずです。
もちろん、付き合いや人間関係というのはとても大事なんですが、もっと大事にしなくてはいけないのは自分の心です。
「きちんと祝福しなくては」というプレッシャーが重くのし掛かり、結婚式に出席することで今ある苦しさが大きくなって、それをずっと引きずりそうで、自分の結婚生活に影を落としそうなのであれば、きちんとご祝儀を送るとか、当日に祝電を打つなどといった礼節を弁えた行動をしさえすれば、大丈夫です。
なんだったら、「無理に行かない」という選択をすることは、「無理に行く」という選択をするよりも、今後のご友人との関係性が守られる可能性が高いかもしれませんしね。

あなたの結婚式は身内だけを呼んでということですが、それとは別に、あなたと旦那さんの友達だけを呼んで、ご祝儀なしで会費制のパーティーを開催するのも、いかがでしょうか。
きっと招待された人たちはとてもうれしいはずですし、心から祝福してくれると思いますよ。

あなたと、あなたの大好きなご友人が、幸せな結婚生活を送れますよう、心から願っております。

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この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。
最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン！と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。

Text／ものすごい愛
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