自分のために関係性を変化させる努力を
“共感”というのはとても大切です。
「共感する」という能動的な姿勢で自分を他人と重ね合わせ、相手の心の痛みに寄り添い、味方になることで救われる人はたくさんいますし、たとえ自分とは置かれている状況が違えど、他人の立場になって物事を考えることは、想像力が養われ、相手ひいては自分のためにもなり得ます。
もちろん、「共感されたい」「共感してほしい」というという受動的な姿勢でいることも、決してダメではありません。
誰かに共感してもらうことで悲しみを消化できたり、苦しいのは自分だけじゃないんだと安心できたり、怒りを原動力に変えて戦うこともできますからね。
ですが、自分の望むままにあやふやな関係をはじめたのに、その状況が変わった途端に“共感”ばかりを求めたり、それに頼りすぎてしまっていたりすると、思考力は衰え、“自分のため”の判断が鈍ってしまいます。
セフレという関係性は、否定しません。
恋人の存在は煩わしい、でも不特定多数と関係を持つのはちょっと……という考えのもと、お互いの利害関係が一致していて、あらゆるリスクを承知の上であれば、セフレの関係は成り立つでしょう。
しかし、そこに特別な感情や勝手な独占欲など、セフレ関係をはじめた当初とは別の感情が入ってきてしまうと、破綻を招くのだと思います。
関係を持っているうちに、恋愛感情を抱いてしまう人は少なからずいるのかもしれません。
そうなったときは、「順序は違ったけれど彼女になりたいから頑張る」とか「このままの関係だと自分は幸せになれなさそうだから、相手と物理的に距離をとる」とか、自分のために関係性を変化させる努力をするのだと思います。
しかし、おそらくですが、相談文に「彼女になりたい」「彼に自分のことを好きになってほしい」ではなく、「まだ遊んでほしい」と書かれていることから、あなたのそれは独占欲のようにわたしは感じました。
必ずしも独占欲が全てよくないものだというわけではありませんが、その独占欲を抱いてしまう理由は、きちんと自分で考えなくてはいけない部分だと思います。もし独占欲とは違う特別な感情を彼に抱いているのだとしたら、なおさら。
「彼女ができると変わっちゃうの?」とあたかも彼のせいかのように他人任せにし、自分の感情と向き合うことを避けていると、共感を得られないだけでなく、あなたが本当に望んでいるものがわからないままこの関係は終息してしまう気がします。