「わたしはかわいい」と魔法をかけて

ちなみにですが、わたしは顔面の偏差値が高くありません。
承認欲求が爆発して自撮り写真をインターネットにあげようものなら「ブスのくせに調子乗ってんじゃねぇよ」とボコボコに叩かれるぐらいにはブスだし、夫の親族や友人に会ったとき「かわいい嫁さんを捕まえたじゃねぇかコノヤロー!」となんとかお世辞を言ってもらえる程度にはブスではない。
学生時代に合コンの幹事をやったときに、「たいていの女は合コンのとき自分よりブスを連れてくるけど、君はそんなことないんだね!」とキラキラした目で相手の男性に言われた思い出が、わたしの顔面偏差値をわかりやすく表現してくれているでしょう。

わたしだって、新垣結衣さんや吉岡里帆さんの顔面に生まれたかったな~と思ったことはありますし、街で美しい人を見かけると「美女はいいな~美女の周りの空気はとっても澄んでいて綺麗なんだろうな~羨ましいな~」という憧れの感情は抱きます。
だからと言って、美女に比べて自分は不幸だと思ったことは一度もありません。
美女には美女の、ブスにはブスの、人それぞれの苦労と幸せになる方法があり、それらは人と比べるものではないとわたしは思います。
「あの人は美人だから苦労していないに決まってる」「わたしはブスだから幸せになれっこない」「美人に生まれたらもっと人生楽だった」などと決めつけず、自分のコンプレックスを理解し、生きやすくする工夫を自分なりに見つけるべきではないでしょうか?

冒頭で「自分のことをブスブス言っていたら、本当に救いようのないブスになるぞ!」と忠告させていただきましたが、その“わたしなんてどうせブス”呪文はあなたにとっても周りの人にとっても、あなたの価値を下げることに繋がってしまうのです。
セックス目的の男ばかりが近づいてくること、別れた元彼に都合よく扱われることは、決してあなたがブスだからではありません。
あなたが“わたしなんてどうせブス”だと思い込んでいるから。
嗅覚の鋭い男が「別にブスじゃないのに自分のことをブスだと思い込んでるからちょっと褒めて自尊心をくすぐったら簡単にヤらせてくれそうだなー」とあなたの弱点を察知して近づいてきてしまっているのです。

まず、自分のことをブスだと言わないこと。そして周りの人に「かわいいね」と言われたら「そんなことない…わたしなんてブスだよ…」と自分を卑下せず、「えー! ありがとう! かわいくなりたくてめちゃくちゃ頑張ってるからうれしい!」とそのまま受け取ること。このふたつは大前提です。
その上で、毎日清潔にして髪と服装を整え、自分の顔立ちに合ったメイクをしてまとまり感を出す努力をすること。美女をやっかんで重箱の隅をつつくような陰口を言わないこと。心無い人間にブスだと言われても「だから? それがあなたになんの関係があるんですか?」と背筋を伸ばして突っぱねること。それだけであなたはブスの呪縛から徐々に解放されるはずです。

「自分はブス」だと呪いをかけるのではなく、「わたしは世間一般的に言ったらブスかもしれないけれど、周りに非難されるほどブスじゃないし、なんだったらかわいいって言ってくれる人も少なからずいる!かわいくなりたいと思って努力してる部分がなによりもかわいいんだよ!」と魔法をかけてあげてほしいと思います。