好きだった感情はそっとしまっておけばいい

 ひとつの恋愛が事実として終わったことでも、自分の中の感情に終わりはあってないようなものです。
だから、「もっとああしていたら…」「あのときこうしていれば…」とタラレバになって引きずるのは当たり前。
一度抱いた感情を、どこかに捨てたり、真っ黒に塗りつぶしたり、分厚くて重たい蓋で閉じたりと、無理矢理“終わったこと”にする必要はありません。
そんなことをしてしまったら、他のみんなは知らないかもしれない彼の魅力に気づいたことも、あなたの話を一生懸命聞いて愛のある言葉をくれた友達の存在も、彼に好かれたくて自分を磨いた時間も、全てなかったことになってしまうようでなんだか悲しいじゃないですか。
彼を好きだという感情も、その感情が生まれたおかげで得たものも、全部あなたにとっての宝物なんです。

 でもね、宝物って、ずっと手に持って見せびらかしてると誰かに取られたり、傷つけられたりしちゃうんですよ。
だから、その宝物は綺麗な箱に入れて、人目につかないところに隠しておきましょう。
宝物が気になるうちは、隠しておいた箱を何度でも開けて覗いたっていい、手に取って優しく撫でたっていい、時にはきつく抱き締めたっていい。
そして、最後には必ず元あった場所に戻しておくのです。

 そうこうしていると、だんだんと箱を開ける頻度が減っていき、いつか箱の存在すらコロッと忘れてしまいます。
近いかも遠いかもわからない未来、ふとしたきっかけで宝物の存在を思い出して箱を開けてみると、「ああ、やっぱりこれは宝物だったんだな」と懐かしく思えるときがくるはずですから。

 この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。
最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン!と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。

Text/ものすごい愛
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次回は <自信がなくて恋愛ができません。親のためにも結婚したいのにどうすれば?/ものすごい愛>です。
人を好きになったことがない。だって自分に自信がない。けれど親のためにも子どもを産んで幸せになりたい。と悩む20代の女性に、ものすごい愛さんがお答えします。傷つきたくない彼女が、悩みから解放されるには?