でも、そんなことしても別に誰も喜ばないんですよね。多数派の人たちが「ようこそ」と両手を広げてくれるわけでもないし。やっぱり、自分の素敵だと思うものを素敵だと思いつづける方が人生は楽しそう。だけどちょっと変わり者として指さされるのに疲れちゃったな・・そんな時はこれ。「大俯瞰」です。みんなー！大俯瞰の時間だよ！ちょっと1回幽体離脱して上の方から見てみましょう。「変わっている」と言われた時の主観の感想は1回捨てて、ただ、今ここで起きていることを観察。

　まず最初は俯瞰です。「あの娘、自分がこれを好きって気持ちだけじゃなんとなく心細いんだ。だから、大流行しているわけではないものを好む私と自分を比べて、自分の方が多数派で、仲間が多いって言う事実から、自分の価値観を信じる力を吸収しているんだ。」
　
　俯瞰から浮かび上がってくることはこのあたりまででしょうか。ここまでだとあの娘は「自分に自信を持つために、少数派の人を使っている娘」になってしまうので、ちょっと悪者になってしまいますね。場合によっては相手を悪者にした方が気持ちは落ち着くけれど、それじゃあ結局あの娘たちとやってることは変わりません。みんな、ここで止まらないで！さらに上まで上りましょう。
　
　大俯瞰。そこで見えてくるのは「相対評価の頼りなさ」ではないでしょうか。どれだけ頑張っても、私たちは1人で生きています。1人が集まって社会ができているってだけ。それなのに相対評価でお互いにプレッシャーを掛け合って、足並みを揃えようとすることって、そもそもめちゃくちゃナンセンスじゃないですか？
あと、小２くらいの段階で習ったよね。「みんな違ってみんな良い」って。これよこれ。これが真理。みんな違ってみんな良いわけです。 多数派であることに縋る人がいても良いし、少数派を変わり者扱いして自尊心を満たす人がいたって良い。私の感情はそのことに悲しんだりするけど、大俯瞰して現象だけを見たら、別にそういう人がいても良いってことが見えてきます。なぜなら「みんな違ってみんな良い」から。大切なことって、すごく小さい時に教えてもらってるものなのね。
　
　どうかな？　大俯瞰って、恋だけじゃなくて積もり積もるストレスにも対応できるんです。これから５月病のシーズンが始まって、いつも以上に人に充てられる機会が増えてしまうと思います。そんな時は、頭の中で念じましょう。「地球は私の掌の上」神の視点で過ごすのです。ひとつひとつ真面目に聞く必要なんてありません。今月も、あなたがあなたでいることを諦めないでいられますように。

Text／長井短

　デザイナー・イラストレーターのeryさんと、ライター・エディターの伊藤紺さんによる制作ユニット「NEW DUGONG（ニュージュゴン）」が2018年6月12日(火)、長井短さんをゲストに迎えてトークイベントを開催します！

■イベント概要
　性の多様化が進む昨今、いわゆる「女子・女性らしさ=モテ」の時代は終焉に向かっています。2018年【現在は】モテない制作ユニットNEW DUGONGが、 スペシャルゲストに同じく2018年【現在は】モテない演劇モデル・長井短を迎え、これからの時代にふさわしい「NEOモテ」を提案。モテ文化全盛期に思春期を脅かされた3人が新時代をこじ開けます。

■開催概要
会場：阿佐ヶ谷ロフトA
日時：6月12日（火） 19:00 open／20:00 start（2時間）
会場：阿佐ヶ谷ロフトA
参加費：2,000円+1drink以上
参加申込：https://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/89616

詳細は公式HPで！