週末ランチや水曜夜限定メニューも楽しめる! 原美術館の『杉本博司 ハダカから被服へ』

 アート鑑賞は、その会場となる美術館の雰囲気も大事。公立美術館による大規模な展覧会も圧巻ですが、主催者やキュレーターのこだわりが詰まった小さな美術館には、また格別の味わいがありますよね。
品川駅周辺の高層ビル群からやや離れた、閑静な住宅街にたたずむ原美術館も、そんなとっておきの場所のひとつです。
 もともと私邸だったモダニズム建築を改装したとあって、雰囲気がとってもスタイリッシュ。
その独特の空間を生かした展示方法がいつも心がけられています。
アート鑑賞後には、中庭に面したガラス張りのカフェ ダールで、木々の緑を眺めながらランチを楽しめます。
しかもこのカフェ、そのとき開催されている企画展から着想した“イメージケーキ”というオリジナルスイーツを提供しており、訪れるたびに違った味を楽しめるんです。
 そんな原美術館で現在開催されているのが、『杉本博司 ハダカから被服へ』。
世界中の海と空を同じ構図で撮り続けた『海景』シリーズや、カメラを通さずに直接光をフィルムに焼き付けた『放電場』など、人間にとって“見る”ことの本質とは何かを問い直す写真作品で、国際的に高い評価を受けている現代美術作家・杉本博司の個展です。
 彼が今回の展覧会でテーマに選んだのは“人間と衣服の関係”。
メインとなる『スタイアライズドスカルプチャー』シリーズは、ガブリエル シャネル、イヴ サンローラン、三宅一生といった20世紀を代表するデザイナーによるファッションを、あえてモデルではなくマネキンに着せることで、衣服本来の美しさを引き出した写真作品です。
人類の歴史とともに歩んできた衣服を、人体を包む“人工皮膚”としてとらえ、“近代彫刻”として見るという杉本氏のねらいが込められています。

 本展ではほかにも、杉本氏が脚光を浴びるきっかけとなった初期のシリーズ『ジオラマ』や『肖像写真』、彼が脚本・美術・演出を手がけた文楽の人形、デザインを手がけた能楽の装束などを展示。
人間にとって“装う”ということの意味を多角的に読み解く試みとなっています。
 さらに、この美術館がカップルデートにおすすめのポイントがもうひとつあります。
それが、前述のカフェで3月31日(土)から予約受付が開始される、水曜夜限定のメニュー「ドン ペリニヨン イヴニング」。
“ドン ペリニヨン ヴィンテージ2003”のグラスを、ひと口サイズの料理とともに楽しめるお2人様用の特別メニューなのだとか。
 都心にありながら、都会の喧騒を離れた優雅な時間が流れるこの美術館。
アート鑑賞に加えて、週末ランチや水曜夜の特別メニューを楽しめば、普段は仕事で忙しいカレとも、のんびり落ち着いたひとときを過ごせるでしょう。

名称:『杉本博司 ハダカから被服へ』
日時:2012年3月31日(土)~7月1日(日)
   11:00-17:00 ※水曜日は20:00まで開館/入館は閉館の30分前まで
会場:原美術館(東京・品川)
休館日:月曜日(4月30日は開館)、5月1日(火)
料金:一般1,000円 大高生700円 小中生500円
電話:03-3445-0651
URL:https://www.haramuseum.or.jp/

※水曜夜限定「ドン ペリニヨン イヴニング」
展覧会期中の毎週水曜18:00-20:00(ラストオーダー 19:30)
税込5,250円(税込・2名様/入館料別) 予約制 各日限定5組10名様
ドン ぺリニヨン ヴィンテージ2003をグラスで各1杯、および一口サイズのフード2品
受付開始日3月31日(土)11:00~
03-5423-1609(カフェ ダール直通)

Text/Fukusuke Fukuda