現代美術の奇才、その全貌が明らかに!『会田誠展:天才でごめんなさい』

 今、日本の現代アートの世界でもっとも注目されているひとりが会田誠。
ときにエロティックでグロテスク、きわどい表現をもいとわない独自の作風は、絵画、彫刻、漫画、映像、パフォーマンスと多岐にわたり、専門誌ではなくカルチャー誌でその作品を見たことがある人も多いはず。

会田誠展 会田 誠 《巨大フジ隊員VSキングギドラ》 1993年 アクリル絵具、アセテート・フィルム 310×410 cm 高橋コレクション蔵、東京 Courtesy: Mizuma Art Gallery

 そんな奇才・会田誠の世界初となる大規模個展『会田誠展:天才でごめんなさい』が、11月17日(土)から森美術館で開催されます。

 人を食ったような展覧会名が表している通り、彼の作品はシニカルかつ刺激的です。
8の字を描いてニューヨークを空爆する零戦をふすまに描いた《紐育空爆之図( 戦争画 RETURNS)にゅうようくくうばくのず》や、滝でたわむれるスクール水着の女の子を描いた《滝の絵》、おびただしい数の女体がミキサーにかけられている《ジューサーミキサー》をはじめ、圧巻の代表作が勢揃い。
総点数は100を超え、その中には日本未発表の作品3点、新作7点も含まれています。

会田誠展 会田 誠 《切腹女子高生》 2002年 アクリル絵具、ホログラムフィルム、透明フィルムに出力 119×84.7 cm 渡井康之氏蔵 Courtesy: Mizuma Art Gallery

 また、彼の作風のひとつである性的描写や残虐性の高い作品を集めた通称「18禁部屋」も用意。
彼の名を世に知らしめるきっかけとなった《巨大フジ隊員VSキングギドラ》や、《切腹女子高生》、「犬(雪月花 )」シリーズなどは、社会背景や美術史の文脈を読み解くことで、単なるエログロ趣味ではない世界観を受け取ることができるはず。

 世界からも高い評価を受ける会田誠。
ユーモアや批評性、不快感から爽快感までもたらす、彼の複雑で多面的な作品群に触れて、芸術の秋に彼と日本の現代アートの豊かさを感じてみては?

イベント名:会田誠展:天才でごめんなさい
期間:2012年11月17日(土)~2013年3月31日(日)
会場:森美術館(東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53 階)
開館時間:10:00~22:00 火曜のみ10:00~17:00
※ただし1月1日(火・祝)は22:00まで
※いずれも入館は閉館時間の30分前まで
※会期中無休
入館料:一般 1,500 円 学生( 高校・大学生 )1,000 円 子供(4 歳-中学生 )500 円 ※表示料金に消費税込 ※本展のチケットで「MAM プロジェクト018:山城知佳子」展、展望台 東京シティビューにも入館可(スカイデッキを除く)
※スカイデッキへは別途料金がかかります
問合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL:https://www.mori.art.museum/contents/aidamakoto_main/

Text/Fukusuke Fukuda