SHIBUYA FASHION FESTIVAL Vol.1レポート

3月にさまざまなファッションショーや展示会が行われた“メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京”の期間中、渋谷では街全体がファッションの祭典となった“SHIBUYA FASHION FESTIVAL Vol.1(シブヤ ファッション フェスティバル)”が開催されました。
一般消費者参加型のこのスペシャルイベント、すでにお楽しみ済み、というカップルも多かったのでは?
ここでは数ある魅力的なトピックスのなかから、選りすぐりのものを事後レポート。

 まず、渋谷界隈の約250店舗が参加し、スペシャルノベルティの配布や時間限定割引、店内パーティといった凝った趣向に、23時までお買い物が楽しめるというナイトアウトも実施され、街全体がショッピングムードに包まれたフェス最終日。
そんななか、代々木公園ケヤキ並木通りに突如巨大ランウェイが出現!
“シップス”や“ビームス”、“アバハウス インターナショナル”、“カンナビス”といったおなじみの人気ショップ(計9店舗)による合同ファッションショーが開催されました。

 世界でも類を見ないほど多種多少なジャンルのファッションが混在する街、渋谷。
そんな背景を舞台に、“渋谷・原宿らしさ”を強く打ち出したショーは、雨にも関わらず大盛況。
改めて東京発信のファッションの独創性溢れるユニークさ、わくわく感が体感できる充実したイベントになりました。
また同日、渋谷パルコパート1公園通り広場で開催された“JUN OKAMOTO(ジュン オカモト)”のインスタレーションも注目されたイベントのひとつ。
インスタレーションは初の試みで、このブランドらしい詩的でストーリー性があり、余韻の残るイノセントな作品が観客の感性にそっと寄り添う形に。
ちなみに、“JUN OKAMOTO”は2002年にパリを拠点にスタート(現在は東京がベース)。
障害を持った人たちが制作するさをり織りや絵を取り入れたコラボ商品やセミオーダーライン“wallflower by jun okamoto”を展開する、今後がますます期待されるブランドです!

 そしてイベント期間中、“渋谷の顔”として異彩を放っていたのがこの“忠犬ハチ公”。
昨年は“MIKIO SAKABE(ミキオ サカベ)”のデザインによるおめかし姿が話題になったものの、今回はファッションやデザインを専攻する学生など400通を超える応募のなかから、文化服装学院の吉田絵美さんによるリボンドレスが大賞に選ばれました。
ドレスアップした当日は、朝から早くも渋谷駅を訪れる人々が携帯やカメラを片手にパパラッチ。
リボンはすべて手縫いという凝った作りで、いかにも春爛漫!といった雰囲気。

 他にもアイドルユニット、でんぱ組.incがラフォーレ原宿前や渋谷駅西口に出没してゲリラライブを敢行したり、音楽とファッションのコラボレーションライブイベント“musicLINK”が開催されたりと、至れり尽くせりのお祭りムード。
オリジナルのプロジェクションマッピングを皮切りにファッションショーやショップイベントのライブ中継、初音ミク『Tell Your World』のミュージックビデオなど、タワーレコード渋谷店の壁面が巨大スクリーンに早変わりした演出も話題を集めました。
普段とはひと味もふた味も違い、より渋谷の街と東京のファッションがパワーアップしたこの“SHIBUYA FASHION FESTIVAL Vol.1”。
何よりも、主催者や関係者だけでなく、参加した消費者も一体となってこのイベントを楽めたのが魅力です。
充分満喫したという人も、残念ながら行けなかったという人も次回開催に乞うご期待。
東京が誇る、渋谷・原宿のファッションをもっと世界にアピールできるように、と願いを込めて。

SHIBUYA FASHION FESTIVAL Vol.1
URL:https://www.shibuyafashionfestival.com/

Text/Yoko Kondo(Fashion editor)