愛のために記憶を改ざんしてしまう

残念ですが、仕事に疲れ、「誰にも愛されてない…」という女子を救えるほど余裕のある男性は、たいてい既婚者です。
しかし、世間を気にする真面目な女子は「既婚者であることを知りながら恋をした」自分なんて許せません。するとどうでしょう?

不倫女子は、自分の記憶を改ざんします。

アラサー女子の不倫に「ずっと気になってた人が、たまたま既婚者だった」なんてケースはほとんどありません。たいていは「自分が苦しいときに助けてくれた既婚者の先輩とできてしまった」という顛末です。

しかし、不倫を始めると必ず「最初会った時からこの人だと思っていた。好きになった人がたまたま既婚者だっただけ」というストーリーを生産します。
お前3か月前には同期のサトル君が手堅いって言ってたろ。という思いを堪えて、私たちは不倫女子を見守ることになります。

それにしても、私たちが心では「不倫かよ」と思いながら、友達の不倫を一般的に止めないのはなぜなのでしょう。
その理由は、「同期のサトル君で手堅く生きる20代」より上司との不倫のほうが愛されて幸せであることを知っているから、かもしれませんね。友達の幸せを、たとえそれが世間体に反しているからと言って止められるでしょうか…。

というキレイな気持ちと同時に、不倫女子とその友達の間には隠したい秘密の感情も生まれるのでした。

☆次回は、不倫女子とその友達に生まれる秘密の感情について迫ります。

Text/トイアンナ

初出:2015.08.13