エラくなったおじさんへの処方箋
前の都知事さん、怒ったままやめちゃいましたね。
あんなに解かりやすく怒りや憤りの感情をあらわにできるって、あんまり腹黒な人じゃなかったんじゃないかと私は思いました。
社会に出て働いた人なら、面従腹背や自分は悪くない場合でも申し訳なさそうに謝る。
という経験を絶対にしているはずです。
それが組織で働くということなのです。
でもあの人はそれができなかった。
あの人は貧乏に負けないで頑張って勉強して、最高学府に入って、もっと勉強して、留学も経験して、若い時分に「先生」になりました。
象牙の塔では研究成果や論理があれば、ある程度までは上へ昇ることができました。
それでも奔放過ぎる性格は象牙の塔の中でさえも、軋轢を生み、退官、そして親の介護という経験を経て、政治家となりました。
賢いし、文化への造詣も深いし、筋道を立てて物事を判断したり、進めたりすることはできるけど、そのことで多少傲慢になってしまったところがあります。
そしてあの人はきっとこう考えていたんだと思います。
政治家先生というのはプライベートの時間も天下国家や政治について考えてるのだから、そこにかかる費用も当然政治資金から費用として賄われて然るべしと。
謝れなかった背景
そんな人が都民の行政サービスを司る公務員組織の長になってしまったのです。
そしてずさんな公私混同の費用計上がバラされた際、申し訳ありませんでした、って最初から謝れば、違法じゃないんだからまだなんとかなったはずだったのに、それができなった。
他の国会議員なんかはそうやって謝って切り抜けた人がたくさんいます。
海外経験が長いということで、謝ったら駄目だという意識があったのかもしれません。
でもここは日本で、自分の立場はその東京都民のための公僕の長だったのです。
もっと早く謝ればよかったのです。
組織や社会的ステータスのヒエラルキーへの執着が、謝るきっかけを失わせたのでしょうか。
それはそこ以外に世界がないと考えているからでしょう。
こういうおじさんは偉い人にはたくさんいます。
でも社会は広く、いろんな人が居て、いろいろな世界があります。
法律だけではない、いろいろなルールもあってみんな生きています。
自分の世界に固執し過ぎると、このいろいろな世界が見えなくなります。
そして自分の世界やルールが絶対だと思い、それを人に強要したり、押し付けるようになります。ダサい
あなたの周りがあなたの言うことを聞くのは、あなたの肩書きやお金のためであって、あなたを尊敬しているからではないかもしれない。
肩書きやお金がない状態の自分を客観視することは凄く大切なことです。
そうでないといつだって人は裸の王様になってしまうからです。
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