ふんわりした言葉「おおきに」
で、最近「ありがとう」以外で感謝の気持ちを伝える良い言葉がないか
考えて辿りついた言葉があります。
それが、「おおきに」という言葉です。
私は千葉県出身なのですが、関西の言葉に憧れがあり、
昔から映画「細雪」を見ては上品な大阪言葉に痺れ、
生活笑百科の上沼恵美子さんを見てはその豪快なホラ話に膝を打ったものです。
なので、お店でも関西出身の人々をイラつかせながらも
ついつい関西弁を使ってしまうのです。
出身も“千葉県大阪市”というわけのわからないことを言います。
そんな私がつたない関西弁を使っていて、
一番良いなと思ったのが「おおきに」という言葉です。
「ありがとうございます」だと冷たい感じになってしまうこともありますが、
「おおきに」だと不思議と自分の中でも
「ありがとう、またねー」というニュアンスに感じるのです。
それは「おおきに」という言葉に
本来は前後に「(まいど)おおきに(ありがとう)」
という言葉がくっついているからに違いないと思うからです。
「おおきに」というのは本来、副詞的に使われて、「とっても」という意味です。
英語でいうと「サンキューベリーマッチ」の「ベリーマッチ」の部分です。
そこから「ありがとう」やその前の「まいど」まで想起させるなんて
関西の言葉の文化は本当に奥深くて小洒落ているなと思うのです。
さすが都会としての歴史が長い地域で使われていた言葉だなって感心します。
言葉だけでもコミュニケーション能力が高いです。
だって、関東弁で「大変に」とか「スゴく!」と言っても意味が通じないでしょう。
ということで暮れも押し迫ってまいりましたが、
今年一年、おおきに!
また来年もよろしゅうたのんます!
ほな!良いお年を!
Text/肉乃小路ニクヨ
初出:2015.12.29
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