3月に『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』(ベストセラーズ)を出版され、「株式会社ジョヤンテ」の美人過ぎる女社長としても有名な川崎貴子さんと、企業家の妻としての10年に及ぶ専業主婦生活にピリオドを打ち、子どもと3人で新たな人生をスタートさせた人気ブロガーで実業家の家入明子さんによる、恋も仕事も迷いがちな年頃女性に役立つリアルトーク第2弾。今回は、子育てと離婚について語っていただきました。
マネージメント能力は子育てにも活かせる
―子どもを産むと自由がなくなるという印象を持っている方も多いと思うのですが、おふたりはどのように子育てと向き合っていましたか?
家入 明子さん(以下、家入):川崎さんは働きながらの子育てだったと思うのですが、起業精神と子育てって、相反するものだと感じますか?
川崎 貴子さん(以下、川崎):そうですね。ただ、私は一人で子育てしたわけじゃなくて、母と妹、元夫、ベビーシッター2名と私のシフト制で、6人体制でぐるぐる回して育てていました。
産後3週間で復帰したのですが、会社の社長って自由業にあたるから保育園に空きがなかったんですよ。自分より年上のシッターさんとか、いろいろな人に助けてもらいながら子育てをすることで、それぞれの知識や経験から教わることが多くてよかったですね。
また会社のマネージメントと似ているところがあって、任されるとそれぞれが責任を持って業務外のこともいろいろやってくれるんです。みんな「私が育てた」というような気持ちを持ってくれますし。
家入:それ、理想的ですね! 子育てもマネージメント。
川崎:はい、マネージメントですね(笑)。娘のイニシャルを取って、「プロジェクトC」って呼んでいました。メーリングリストも作って、「今日ちーちゃんが目を離した隙に、水溜りの水を飲んでしまいました。申し訳ありません」「元気なら大丈夫です!」みたいな。
あと、よく、「当時は稼いでいたからできたんでしょ。」とか言われますが、私の給料全部飛んでますからね。うちみたいな零細企業は“社長がその場を休まない“ことが最重要だったので、借金してでもベビーシッターを頼んでいたと思いますよ。
家入:素晴らしいなー!
川崎:いえいえ、全然素晴らしくなくて、たぶん教育関係の人とか3歳児神話とかをいってる人たちには怒られちゃうんですけど(笑)。
でもしょうがないんで。その人たちが助けてくれるわけでもないし、そういう風評は徹底的に無視しました。その後も特に問題はなく普通に育ってますしね。不具合が出たら方針を変えればよいと。
ただ、何事も神経質になったらダメですけどね。例えば留守中に人が家に上がることや冷蔵庫を開けることをイヤがるとか。
家入:なるほどねぇ。私は産んですぐ、あまりの儚さにびっくりして神経質になっちゃったんですよ。産後クライシスじゃないですけど、街に出て通り魔に襲われたらどうしよう、とか、外は菌がいっぱいいるように思えて外出先の座布団に寝かせるなんてできない…とか。
川崎:びっくりしますよね、あの儚さにはね。よく生きてるなーって。
家入:そうなんですよ…。だから「山にこもって畑を耕しながら生きていきたい」って思ってしまっていましたね。人に託して外に出ても大丈夫って思うまでが長かったなーと思うんです。2歳頃まで預けられなくて。川崎さんの話を聞いていたら素晴らしいと思うんですが、あの時の自分に組織を作ってマネージメントができたかというと、難しかったかなって。
川崎:でも、明子さん18歳で産んでるんだもんね。その年なら私でも不安だったと思うな。私は31歳だったから。
家入:そっか。今だったらできるかな。あと、周りの友だちの子育てを見られたらまた違ったかもしれないけど、初めて目の当たりにする赤ちゃんが自分の子で。サインみたいに理由のある時しか泣かないと思っていて、おむつを替えても泣き止まないとか、眠たくて泣くとか、「原因が解明できないことがこの世の中にある」ってビックリしました。
川崎:眠くて泣くとか意味がわからないよね(笑)。
私はある程度年齢を重ねてからだったし、働きながらの子育てしかしたことがないけれど、どんな風に子育てをするかはあまり頑なにならず、それぞれ自分の性に合う育て方がいいってことですね。
一応私も、妊娠中に女性経営者でお子さんのいるかたに話を聞きに行ったんですよ。そうしたら、「昔は田んぼにかご置いてそこに乗っけてみんな農業してたのよ、大丈夫よ」とか「1歳2歳なんて誰に抱かれてるかわかんないんだから大丈夫よ」とかすごく大ざっぱな意見を聞いて、私いけそうって(笑)。自分に似た境遇の先輩の話を聞くのはおすすめです。