サボテンが枯れる家でなぜ結婚したのか

―お二人は結婚したことで、何か自分が変わった部分などはありましたか?結婚しなかった人生は想像つきますか?

家入:私は18歳のときに勢いで結婚しちゃったから、結婚しなかった人生が想像つかないですね。「しなきゃ」って思ってしたわけじゃなくて、「それしかない」って感じ。今思えば、「結婚しなきゃ」って悩むことがないのが、結婚のいいところかも。でも、女性って強欲だから、一時的に煩悩から解放されても、またすぐに次の欲が出てくる。結婚はカンフルでしかないかな。川崎さんは何歳で結婚されたんですか?

川崎:私はできちゃった結婚で31歳のとき。でも、20代後半は結婚する意味が1ミリも分からなかった。25歳で起業したから、“人生最大のやらなきゃいけないこと”が、会社を大きくすることだったの。そこに嫁業務や籍を入れるとか、「苗字が変わる?は?」みたいな。
最近、「自由や仕事の楽しさを捨ててまで結婚する意味がわからない」とか、結婚するメリットデメリットを問う議論をwebでよく見かけるんだけど、私が正にそれ。シャワーを浴びるくらいにしか帰らない家に、旦那や子どもがいるっていうイメージがつかなかった。だって、普通にサボテンが枯れるような生活だったんですよ?

家入:サボテンは中々枯らすの難しい!(笑)

川崎:そんな生活のどこに、何かを育む余地があるんだろう?って思っていました。自分もちゃんと働いているし、恋人でいいじゃないって。そのことを先輩経営者の男性(既婚子持ち)に話したことがあるんですけど、「川崎、そうじゃないんだぞ」って一言だけ言って黙っちゃったんですよね。うじゃうじゃ言われなかったことでかえって記憶に残っていたのか、妊娠が分かったときにそのことを思い出したんです。言葉にしなかったところに既婚者にしか分からないストーリーがあるんだろうなぁって思って。
もしかしたら、これは私の人生の一大チャンスなのかもしれないと気持ちを切り替えて産むことにしました。

家入:先輩素敵…。

川崎:でも、それでもまだ結婚の意味が分からなかったから、妊娠6ヵ月目になって、子どものために籍を入れたという感じです。でもね、出産後3週間で復帰したんですけど、家に帰ったらいるわけですよ、赤ちゃんが。
当時、経営者としていろいろなストレスを抱えていたのですが、圧倒的に可愛い存在がいるということに、ふだんあまり浮かれない私が嬉しくて嬉しくて毎日浮かれていました。ストレスとか言ってる場合じゃないと。先輩が言っていたのはコレか、と。そうしたら、娘の生育環境として考えると、籍入れた方がいいだろう、一生懸命仕事して、教育方針を合わせて、仲良くやっていったほうがいいだろう、じゃあ、結婚ってのはいいことだろうって、なっていったんですよね。

家入:そうだったんですねー。わかります。子どもがいると結婚する意味というのは、大きくなるかもしれませんね。逆もいえてしまうんですが。

川崎:肩車してくれる人とか、ママに怒られたときにパパのところへ行くとか、ダブルインカムであるとか、子どもにとってのセーフティネットとしてふたりの大人が携わる意味を感じて、「ああ、これが結婚か」みたいな。実際元夫も子煩悩だったんですよ。ベントレーの衝動買いとかしてたけど(笑)。

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