自分にはエロくなくても誰かにとってはエロい行為

しかし、その後しばらくして、とある男性向けメディアで、同じような企画を、今度は別の編集者と作ることになりました。ところが、その企画の担当である編集者が出してきたのは「脇舐め」「顔舐め」「おしっこ鑑賞」といったプレイでした。

わたしの思う限りだと、「おしっこ鑑賞」は、相手との関係性によっては、エロくなりそうですが、「脇舐め」「顔舐め」はどうなのか。というのも、変わった行為ではあるけれど、まったくもってエロい行為では、ないように思えるのです。脇も顔も、人様に触れられたくない場所であることは間違いありません。けれど、舐められたところでまったく気持ちよくないし、ヨダレでべとべとにされると、事後の始末が面倒でしかない……もしかして、舐められるのが嫌なのはわたしだけで、巷の女性たちは、わりと好きなプレイなの? 実はみんな脇とか頬に性感帯があるの!? そんな疑問を持って、取材してみたところ、案の定、「脇舐め」「顔舐め」ともに、女性たちの評判はあまりよくないことが判明してほっとしたものの、後日、驚くことが。

担当編集氏いわく、男性読者から届いた評判は、そこそこよかったというのです。えーっ、脇舐めや顔舐めって、男性にとってはエロい行為として、はっきり認識されているのか……。自分にとっては「エロい行為でもないように思える」ことが、誰かにとってはセックスよりもエロい行為である。なんだか目から鱗がボロボロと落ちた気分でした。

行為の過激さは、ある意味で測りやすいですが、一方で、性的嗜好の広さはなかなか測り知れない。けれどもそれに、世界の面白さがあるようにも思えます。まずは「脇舐め」や「顔舐め」の魅力を理解すべく、わたしも舐める側に回ってみようと思います。セックスは冒険だ。

Text/大泉りか