自分で“お祝い”の総量を増やす
そもそも、わたしの考える“人を祝う”ことは、“祝われる人が、その日一日、楽しく気持ちいい気分で過ごせるように努めること”。けれど、“食事”や“プレゼント”をこなせば、祝ったと考える人もいる……ともすれば、何もせずとて一緒に過ごせば、それでいいだろ、と考える人も。
どれが正解というわけではないけれど、その温度差は喧嘩の火種になる。他人を変えるのはなかなか難しく、けれど、本当は不満を抱いているのに、諦めるというのも、恨みが溜まりそう。そうして考えた結果、わたしは、誕生日は“人に祝ってもらう日”ではなく“自分で祝う日”という考え方に変えることにしたのです。
パートナーに、ディナーの店に連れていってもらったり、欲しいものを買ってもらったりもするけれど、それは相手が主体にあるのではなく、あくまでも自分が主体であって、その手助けをしてもらうという位置づけ。一番欲しいものを恋人にプレゼントしてもらうのが難しい場合は自分で買って用意し、恋人とのディナーが自分の意に叶う店ではない場合は、「本当に行きたい店」にひとりや友人を誘って食べにいく。
そうして、“お祝い”の総量を増やすのです。すると、多少、恋人からのお祝いに不満を持っても「ちゃんとお祝いしてくれない」とイライラしなくなり、充実した誕生日が過ごせる。自粛期間中に誕生日はもとより、結婚記念日などのお祝い事が重なる方、これでもかというほど、とことん自分で自分を祝福しきって、幸せな一日を過ごせますように。
Text/大泉りか
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