うまくいかない家事の分担

家事の分担を見直すために、まずわたしがしたのは、某サイトにある「家事育児100タスク表」を夫に見せたことでした。

このタスク表はマス目になっていて、1つのマスに1つの家事や育児が書いてあります。妻が担当のものと、夫が担当のものをそれぞれ色分けしてすると、家事育児の偏りが一目瞭然になるというもの。実際に塗り分けたところ、わたしの負担が全体の3/4、夫の負担が1/4くらいになっていました。1:1は無理でも、せめてもう少し均等に近づけたい。

「ほら、わたしの負担が大きすぎるでしょ。だから、そっちの担当の家事を増やして。自分で選んでいいから」
「そもそも、これ、洗った食器を棚に戻すとかそんなに手間じゃないし、ここまで細分化しなくてよくない?」
洗った食器を棚に戻すのは手間じゃないと? じゃあ、それやって」

と即決定。それ以外にもいくつか分担を振り分けました。

しかし翌日、洗い終えて自然乾燥した食器が、さっそく水切りに溜まっている。言われなくてもやってほしいと思いつつ、1日目は仕方がないかと「食器棚に戻して」と指示しました。しかし、2日目もやはり食器はそのまま。結局、なし崩し的に、食器を棚に戻すのはわたしの担当に逆戻りしてしまいました。

もちろん、タスク表を見せたことで、いくつかの家事は夫の担当に移りました。例えば、保育園に持って行くおむつに名前のスタンプを押すこと。しかしこれも、保育園に置いてあるおむつのストックを確認するのは、わたしの担当です。

ようするに「やれ」と言えば出来る。けれども、「やれ」がないとなかなか出来ない。わたしは司令塔という役割から逃れることは出来ないのか……。

家事の総量を減らす

どうやったらもっと主体的に家事育児をしてくれるのか。その問題を解決するのは少し時間がかかりそうだったので、とりあえずは違ったアプローチでの環境改善を試みることにしました。家事の総量を減らすことで、自分の負担を軽くしようと考えたのです。

具体的には、乾いた洗濯物を畳まないこと。取り込み終えたそのままの形で夫の部屋に持っていき、わさっと積み重ねておく。すると、驚いたことに、これまでずっと抱えていた「わたしばっかりがやらされている」という感覚がすーっと消えたのです。

もともとわたしは、家事が嫌いな人間ではないと思っていました。だって、料理好きですし、何を食べるか考えるのが好きなので、食料の買い出しも好きです。食器洗いもさして苦になりません。掃除は苦手ですが、やったらやったで達成感があるし、洗濯物を干すのだって、洗い立ての洗剤の匂いが嗅げて楽しい。

ただ、洗濯物を畳んでクローゼットにしまうのは、まったく楽しくないし、面倒くさい。そうか、わたしは洗濯物を畳んで仕舞うのが苦手だったのか。はっと気が付いてよくよく部屋を見回すと、自分の服も息子の服も、きちんと仕舞われておらず、それぞれなんとなく決められている場所に一旦置かれているだけ。それがクローゼットに仕舞われるのは人が来る予定が入った時だけです。