DVを拒否する心の作り方

 しかし、世の中には、どんなであれ、好きな人の色にすべて染まるのが幸せだという女性もいます。
そして、好きな人の願望を叶えるために努力している女性の姿は、たしかに可愛い。その姿は、一部の男性たちから、「これでこそ、女のコ」と、称賛を浴びることでしょうし、他人の色に染まることに拒否反応を感じてしまうタイプの女性からは、眩しく見えることもあるのではないでしょうか。
しかし、思うのです。努力して、すべて染まろうとしたところで、いいことなんか、ひとつもないと。

 かくいうわたしも、どちらかといえば、他人の色に染まることに拒否反応を感じるタイプの人間です。

……いや、拒否反応を感じながらも「仕方ないな」と一応はチャレンジするタイプでしょうか。そして、脚フェチ男のために高いヒールを履くとか、コンサバ男のためにストールを巻いたりくらいは出来る。もちろん、内面への影響についても同じことで、恋人の持っている「レアな情報」や「マニアックな知識」には積極的に触れたいし、それを譲り受けて、今までとは違う自分に成長したいと思う欲はある。こうした癖は、恋人を自分を成長させるための道具として利用していることでもありますし、結果、傍からみれば、「彼にかぶれてにわか」な人間に見えるかもしれません。
けれど、人と関われば、なんらかの影響を受けるのは当然のこと。そこに対して「かぶれ」とか「にわか」という人のほうが心が狭すぎる……ちょっと話がそれてしまいました。本題に戻します。

 いま、「相手に染められる」のを許すことにしているのは、“プライド”を持っていないがない部分だけと決めました。それは、「あの頃、男の影響で、ハマってたね」と笑える場合と、思い出すと顔が能面のようになる黒歴史を経験してきたからで、その結論として導き出したのが、“プライド”のない部分ならば、例え受け渡したとしても、何かを失った気には、ならないということです。

 DVをうっかりと、甘んじて受けることにならないために、譲れない“プライド”の部分だけは、絶対に受け渡さないこと。DV男に当たりがちな女性には、ぜひこれを心に留めておいて欲しいと思います。

Text/大泉りか

次回は<「イッた」かどうかは謎のまま。「演技かどうか」は女同士のセックスでも見抜けない!?>です。
大泉りかさんが大学時代に覚えたことのひとつが「同性とのセックス」。そんなとき男友達の彼女に相談されたのが、「セックスでイったことがない」という悩みでした。AM読者の中にも同じ悩みをもっている方がいるかもしれません。女の子のほうが女の子をイカせてあげられやすい、という話もありますが、果たして……?